地震防災総合研究特別研究委員会
危険度・耐震安全性評価小委員会(第8回)議事録


A.日 時  2002年9月11日(水) 14時00分〜17時00分
B.場 所  建築学会201会議室
C.出席者 主査:翠川三郎
        幹事:濱田信義,片岡俊一
       委員:諸井孝文,山根尚志,吉田克之,井上 豊,石井 透,
           竹脇出(上谷宏二代理)                                                        (敬称略)
                                                (記録担当:片岡俊一)
D.提出資料
 資料No.8-1 地震防災総合研究特別調査委員会(第V期)(第4回)議事録(案)(提出者:事務局)
 資料No.8-2 第3回公開研究会 「地震災害を軽減するための土地利用関連施策をめぐって」
 公開シンポジウム 「地震情報の正しい理解」と「地震災害の軽減」第7回
             「震災対策技術展」関連講演会(神戸)同(横浜)  (提出者:事務局)
 資料No.8-3 平成15年度科学研究費補助金(科学研究費、研究成果公開促進費)
         公募要領(提出者:事務局)
 資料No.8-4 「耐震メニュー2001」の見直しについて(山根委員)
 資料 第7回危険度・耐震安全性評価小委員会議事録(案)
 
E.審議事項
1. 前回議事録の確認
 片岡幹事が読み上げ,承認された.

2. 今後の活動について
 資料No.8-1,8-2に基づき,今後開催すべき報告会の内容について主査から紹介があった.
(a) 第3回公開研究会 「地震災害を軽減する土地利用関連施策をめぐって」
・採択された科研費補助金を利用したものである.
・地震防災総合研究特別調査委員会傘下の都市防災・復興方策検討委員会(主査:高見沢実 横浜国
 立大学助教授)が主催する.
・当小委員会の翠川主査も講演することから,協力という名目で当小委員会の名前が掲載されている.
(b) 公開シンポジウム 「地震情報の正しい理解」と「地震災害の軽減」
・採択された科研費補助金を利用するものである.
・小委員会メンバーでない金子美香氏(清水建設)にも講演の了解を得ており,委員会メンバーからの特
 段の意見もないので,講演者は確定したものと考えている.
・資料はできればカラーできれいなものを用意したいとの主査の考えが示された.
・原稿の書式は,主査が早急に決め,事務局から講演者に連絡してもらう.
・資料の量は,講演者がA4で8〜12枚,パネリストがA4で2〜4枚とする.
・資料の提出締め切りは,11月11日とする.
(c) 第7回「震災対策技術展」関連講演会(神戸)
・11月1日に開催される都市防災・復興方策検討委員会主催の公開研究会を下敷きに作成した案である
 が,講演者の確認はしていない.
・「地震発生の長期評価と地震動の評価」という講演ならば,作業主体の防災科学技術研究所の石井委
 員よりも,作業を依頼している文部科学省の中川委員にお願いするのが適切と考えられるとの意見が
 あり,翠川主査から当講演会を企画している池田先生,高見沢先生に確認することとなった.
(d) 第7回「震災対策技術展」関連講演会(横浜)
・講演会の内容は,11月25日に開催される公開シンポジウムの内容を下敷きに考えられている.
・現時点では,講演者には確認していないが,席上,石井委員,諸井委員からは受諾の意志が表明され
 た.
・講演者のうちの金子美香氏については,石井委員から確認してもらうこととした.
・講演者のうちの樫原健一氏(鴻池組)は,古瀬先生からの推薦である.まだ,講演に関する確認はとっ
 ていない.
・講演者のうち高見沢先生に依頼している方についてはまだ回答がない.
・内容に関して,11月25日の公開シンポジウムとの違いが討議され,「震災対策技術展」は,公開シンポ
 ジウムよりも広い範囲の人が来ると思われるので,よりわかりやすい講演をすることとした.
(e) 地震防災総合研究特別調査研究委員会 活動報告会(2003年3月19日)
・特別調査研究委員会活動の中間報告として位置づけられ,傘下の3小委員会からの報告とそれに対す
 る質疑応答になると思われる.
(f) 2003年度日本建築学会東海大会(2003年9月5日〜7日)
・研究協議会の形式で,3小委員会からの報告を行い,最終年度報告書作成のための意見を聞く場とす
 る.

3.平成15年度科学研究費補助金について
・今年度と同様の公開シンポジウムを開催することを内容とした申請書を,小委員会として提出したい旨
 の提案があり,了承された.
・申請内容は,今年提出したものの延長線とし,詳細に関しては主査・幹事で相談して決めることとした.

・採択された場合,公開シンポジウムの開催時期は,今年と同じとしたいので委員各位の協力をお願す
 る.
・公開シンポジウムの内容について,東海大会における研究協議会と内容が重ならないか,という意見
 があった.研究協議会では活動の中間報告を行い,公開シンポジウムでは,例えば「耐震メニュー」の
 紹介など詳細な内容を紹介すれば良いとの意見が出され,両者の違いを出すことは可能との結論にな
 った.

4.「耐震メニュー2001」の見直しについて
 山根委員から,資料No.8-4に基づいた説明と質疑,討論が行われた.
 以下のような追加説明があった.
・「耐震メニュー2001」は,設計の骨格を示すものと考え,その方向性を考察したものである.
・資料の2,3ページは,前回資料と同じものである.
・安全レベルは本来,地震動レベル・建物被害レベルとは独立した概念であると思われる.今回の資料
 では,この考え方に基づいて安全レベルの不明快な3点の解消法を示している.
 なお,不明快な3点とは,安全レベルの定義,「重損以上の被害を受ける確率」に関する問題点,安全
 レベルと耐震等級の関係,である.
・安全レベルの定義が,建物被害レベル及び地震動レベルに関する指標に従属した表現となっており,
 全体の骨格を分かり難くしている.
・「耐震メニュー2001」では,安全レベルと遭遇確率は1対1の関係であり,遭遇確率と再現期間も1対1
 に決めることができるとしているので,「安全レベル」,「遭遇確率」,「再現期間」の3つの指標は1つの
 指標で代表して良いものと考えられる.
・ここでは,再現期間を地震動レベルの代表値として選ぶことを提案している.
・安全レベルと耐震等級の間には何らかの対応関係が存在しており,この観点からしても,安全レベルと
 いう尺度は評価指標として重複していると思われる.
・建物被害レベルであるが,被害の境界が明確に区切られているのは不自然であり,実務上は境界は不
 明瞭であることを明らかにした方が良い場合が多い.
なお,5ページ目の図のうち,四角マークについて上下方向に矢印が延びているが,これは概念を示して
いるので,「耐震メニュー2001」の表4「耐震等級」とは対応していない.
また,主な討議内容は以下のとおり.
・地震動レベルと建物被害レベルを軸とした平面を考えているが,横軸は地震動レベルではなく,発生確
 率とした方がよいのではないか.
→考え方としては,そのとおりであるが,建築主との話の場では,地震動レベルの方が説明しやすいの
 で,8ページのような図になった.
・「耐震メニュー2001」を作成した時に,当時各社が提案していた耐震メニューを勉強した.その結果,次
 の事項を「耐震メニュー2001」に取り込む必要を感じた.
i) (長寿命建築を念頭に置いた)供用期間の概念の導入,ii) 日本各地で期待される地震動が異なると
 いう事実,iii) 提言にうたわれていた「安全レベル」という言葉の説明.
・結局,非超過確率を決めているように思えるので,供用期間も考慮すべきではないか.
→再現期間と供用期間における非超過確率は,ポアソン過程を仮定すれば1対1の関係になるが,一般
 にはそうはならないので,あえて再現期間だけを挙げている.
→再現期間r年という地震動レベルの与え方もできるような骨格が望ましいのかもしれない.
・仮設構造物のように,供用期間が短いものは安全である,という結論になるが,今回の検討からはこの
ような構造物は除くのが良いと思われる.
・供用期間としては,長寿命建築などの提案もあり,少なくとも構造躯体の検討では,長めに取るのが望
 ましいであろう.その際,非構造部材はどのようになるのであろうか.
→設備機器は,機能劣化がおこることから交換を前提として考えているので,供用期間を長くとっても結
 果的には変わらないであろう.
→そうであれば,構造躯体だけで検討しても良いのであろう.
・複数の性能レベルを与えるのならば,供用期間の概念があっても良いと思われる.
・安全レベルをイメージするのに,「耐震メニュー2001」の表1の摘要の欄は理解し易いが,確率の欄は理
 解し難い.性能の与え方を変えた方がよいのではないか.
・耐震等級と安全レベルの違いが理解し難い.耐震等級は地震動レベルとは独立の建物の強度である
 ので,表現を直した方が良いかもしれない.
・現行の設計は,耐震等級でいうとどの位置になるのか.
→いわゆる新耐震の解説から判断すると,2次設計は耐震等級3級あるいは厳しめに読めば4級に当た
 ると思われる.
・安全レベルは,ある遭遇確率の地震動に対して生じる被害の程度という理解でよいのではないか.
・地震動の強さと構造物の強さの関係,余裕度を表すものが安全レベルではないか.
・性能をマトリックス表現するのが良いのではないか.
→マトリックス表現すると確認すべき性能レベルが複数にならないか?
→マトリックス上の1点で評価しても良いという考えもできる.

5.次回日程と内容
(a) 次回を2002年10月11日(金)14:00〜17:00 とした.
(b) 次回の主たる討議事項
1) 安全レベル,遭遇確率,耐震等級,建物被害など相互の関係をどのように表現すれば良いか.
2) 耐震メニューに関する地震動の取り込み方.
3) そのほか,耐震メニューに関しての意見
  1)については,各自の意見を持ち寄ることとし,2)については諸井委員に原案を提出願うこととした.