日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!32号
若手優秀プレゼンテーション賞 受賞にあたって

◆若手プレゼンテーション賞 受賞にあたって

畠中 隆一
(福井工業大学)

タイトル:
鉄筋コンクリート造コア壁における壁板の偏心圧縮実験
 <構造・材料系>



 今回、若手プレゼンテーション賞を受賞した研究は、鉄筋コンクリート造コア壁における壁板の偏心圧縮実験 −閉鎖型拘束筋における拘束領域及び偏心距離の影響− である。

 超高層建物において、コア部分をRC造連層耐震壁とした場合、地震時にコア壁に大きな軸力が作用する。このため、高軸力下におけるコア壁の靭性確保が必要であり、高圧縮領域コンクリートの圧縮靭性がコア壁の靭性を左右すると考えられる。そこで、高圧縮領域となるL形隅角部及びその近傍の壁板部分を模擬した部分試験体による偏心圧縮実験を行い、その結果、閉鎖型拘束筋を用いた場合の圧縮靭性に対する拘束領域と偏心距離の影響が明らかになった。以上が研究内容である。

 本章の受賞にあたっては、受賞できるのはそれほど多くないと聞いていた事に加えて、今まで学生生活において何かの賞を受賞するということがなかったので、より一層嬉しいという気持ちである。学生時代のよい思い出になったと思うが、それにとどまらず、今後の仕事のうえでも、おおいにプラスになると思う。

 発表に関しては、発表用のパワーポイントを作成する段階から指導教員の先生と話し合いながら作成し、何回も練習を重ねる中で、効果的な表現方法、よりわかりやすい説明の仕方などを考えた。わかりやすい説明の仕方を考えるなかで、逆に研究内容の理解が深まったのではないかと思う。さらに、どんな質問が来てもしっかりと答えられるように、論文を見直したりしながら内容を改めて理解し、用意をした。この事が本賞の受賞につながったのではないかと思う。

 現在は、研究とは直接は関係のない仕事をしているが、受賞による自信や発表に至るまでの過程は貴重な勉強であったと今でも思う。ひとつのことに打ち込み、その成果を他の人に伝えることはとても重要なことである。より多くの人に、より深く理解してもらうには、プレゼンテーションの工夫が不可欠であると思う。これから仕事をはじめ、さまざまな場面でプレゼンテーションを行うことがあると思うが、今回の、この経験を生かしていきたいと思う。