日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!33号
学生シリーズ(福井)

福井を照らそう

高橋 さえり
(福井大学大学院工学研究科建築建設工学専攻 光環境研究室(明石研究室)修士1年)


地域住民との意見交換会


照明器具サンプル作成


サンプル器具投票会@雑木林


『街なか』にぎわいプランコンテスト

 私たち灯りプロジェクトは福井大学の建築学科をはじめとする多様な学科の修士や学部生によって構成された、今年の4月に結成されたばかりのグループです。灯りプロジェクトの目的は、LEDを用いた新しい灯りをつくる技術の開発、照明器具のデザイン、まちづくりへの貢献です。具体的には、今年の12月19日〜23日(5日間)に、福井大学近隣の田原町商店街および本学近隣に残る貴重な森林資源である雑木林(ざつぼくりん)でライトアップイルミネーションイベントを行い、田原町「街なか」のにぎわいを創出することを企画しています。これまでの活動内容は、ライトアップの事例調査を行い、私たち学生がどのようなライトアップをしたいか、キーワードとともにイメージ画像を抽出しました。これを用いて、田原町の住民の方と話し合い、ライトアップの方向性を決め、照明器具のサンプルや光のオブジェの模型を作成し、プレイベントにて住民の方に照明器具のお披露目会を行い、投票も行いました。

 このプロジェクトは、福井県が主催する“学生発『街なか』にぎわいプランコンテスト”に応募したところ、優秀賞をいただくことができました。本賞は、学生から福井県内の中心市街地の活性化策を募集し、そのうち優秀な数件(本年は4件)のプロジェクトに対し、それらの実施のための報奨金(30万円)とともに与えられるものです。8月にプレゼンテーションと選考会が開催され、灯りプロジェクトの提案したプラン「ら☆ら☆らいとあっぷ雑木林(ざつぼくりん)@たわらまち」が選ばれました。具体的な企画内容は、ゆらぐ蝋燭をLEDの制御で実現する最新技術と和紙などの地域の伝統文化とを融合させて灯りを実現するために、本学学生と地域住民が一体となり取り組むものです。

 今後は、実際にプロジェクトを実施するために、住民の方にも参加してもらえるように照明器具の作成会を11月30日に催し、それを用いてライトアップを行う予定です。

  初年度に、このような素晴らしい賞を受賞でき光栄に思います。受賞に満足することなく、今後もさらに協議を進め、具体的に計画を詰めて冬のライトアップを成功させたいと思います。そして、このライトアップが継承され、さらに田原町から福井市へ、福井県へと光の輪が広がることを期待したいと思います。