日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!33号
学生シリーズ(長野)

日本建築学会大会(中国)に参加して

久保田 敏史
(信州大学工学系研究科社会開発工学専攻 浅野研究室 修士1年)








 9月中旬残暑。じりじりと照りつける太陽の下、広島大学東広島キャンパスで日本建築学会大会が開催されました。3日間という長いようでいて短い期間の中で、全国の研究者たちがこれまでの研究成果の発表を行いました。私の発表は3日目の午前、発表者が5人いるセッションの5番目。6分という短い時間の中で研究の要点、結果を簡潔に述べなければなりません。プレゼンテーションでは内容を取捨せずに、いかに多くのことを伝えるかという難しさがありました。
  私は「寒冷地における住宅用給湯器の効率に関する研究」と題して、住宅用高効率給湯器である、潜熱回収型ガス給湯器とCO2ヒートポンプ給湯機の実測結果に関する報告を行いました。ガスをエネルギー源とする潜熱回収型ガス給湯器と電気をエネルギー源とするCO2ヒートポンプ給湯機を、同一の住宅において切り替えて運転し、双方の1次エネルギー消費量、効率、CO2排出量を比較するといった内容です。北陸支部大会及び全国大会を通して、多くの方々から研究内容に対する貴重なご意見・ご指摘を頂き、自分の未熟さを実感しました。そしてこれらは、これまでの反省と今後研究を進めていく上での新たな知恵となり励みとなりました。 私は、研究発表会に参加することの最大の魅力は、研究者の方々の生の声を聞けるというところだと思います。今回全国大会に参加し、発表・討論を通して専門家の方々がどのように考えているのか、現在の時勢、今問題となっていることなど、多くの知識・情報を得ることができ、私にとって絶好の勉強の機会となりました。

 ところで、今回初めて広島を訪れたわけですが、せっかくなので少し観光をしてきました。広島市に着いたのがちょうどお昼時だったので、まずはお好み焼きを食べました。駅ビル2階、待ち時間20分ほどの行列に並び、注文はお好み焼きスペシャル1200円。広島風は、薄い生地の上にキャベツ・もやしをたっぷりのせて焼き、最後に卵をかぶせるという作り方で、なじみのないものでしたが非常に美味しかったです。
  さて、お腹も一杯になったところでいざ広島市街へ。日本最大の路面電車の路線網と収益を誇るという路面電車の街。3800系の電車に揺られながら広島平和記念公園に到着。原爆ドーム、広島平和記念資料館を見学しました。瓦礫にまみれた原爆ドームは、原子爆弾が本当に広島に落ちたのだという現実感を与えました。広島平和記念資料館では、被爆前後の広島の歴史や、原爆投下に伴う放射線、高熱火災、爆風、熱線などによる被害の様子が展示されており、紙面上でしか知らなかった原爆投下という現象をより現実のものとして理解することができました。

  研究発表会への参加は自分の研究をステップアップさせる上で有効であり、観光という楽しみもあります。私は、今後も機会があったらどんどん参加していきたいと考えています。