日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!34号

親と子の都市と建築講座(石川)
「アカリヲサガシテ」の報告



村田 一也 (石川工業高等専門学校建築学科 准教授)
森原 崇 (石川工業高等専門学校建築学科 助教)
横山 大樹 (石川工業高等専門学校建築学科 5年)


図1 作業開始


図2 木枠の製作


図3 紙筒の製作


図4 完成作品1


図5 完成作品2


 石川支所では、親と子の都市と建築講座企画として「アカリヲサガシテ」と題した照明制作ワークショップを開催しました。このワークショップは 2008 年8月 10 日(日)に石川高専製図室を会場とし、小学1年生から中学1年生までの子ども 13 名、保護者7名の参加で、補助学生6名、準備補助学生 10 名、講師として村田一也、森原崇(ともに石川高専)により実施されました。ワークショップは、当日 10 時からはじまり夕方 17 時には参加者全員が各自の照明を完成させて終了しました。

  都市環境においても建築環境においても、照明は、それぞれにその場所場所の雰囲気をつくり出す主要な要素と捉え、この照明という都市的・建築的要素を取りあげることで、身近な都市・建築環境への興味関心をもってもらう意味で、家庭で実際に使える照明器具を製作してもらいました。また、建築設計の方法についても簡単に知ってもらうために自分が制作しようとするものについてスケッチをしてもらい、それにもとづいて実際に材料を切ったり貼り付けたりする作業をとおして、ものづくりのたのしさに触れられるよう企画をたてました。

  ワークショップは、ランプシェードとなるような照明器具用の木枠と光源となる電球を予め準備し、その木枠の4面に木製の材料をつけたしていく作業と、透過性のある紙筒に色紙や布等を貼り付ける作業の2段階とし、紙筒を照明器具用の木枠内に入れ、各自の照明器具を完成させるものとしました。

  当日は、まずは建築・都市の照明について簡単な説明を行い、制作方法を説明したのち、午前中は、照明器具用の木枠の4面それぞれの構想をスケッチすることから作業をはじめ、スケッチが完成した段階で、スケッチに従って照明器具用の木枠に、材料を切り取り貼り付けし、木枠を組み立て、午後は紙筒におもいおもいの図柄を紙や布を貼り付けて製作し、照明器具を完成させました。

  午前中の照明器具用の木枠の製作では親子で協力しないと難しい作業もあり、子どもたちは、どちらかというと午後からの紙筒の製作の方がより簡単でたのしかったようですが、自分たちが考えた作品が実際にできあがっていくたのしさを感じてもらえるような企画となったと思います。