日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!34号
学生シリーズ(長野)

八潮街並づくりワークショップ

小倉 和洋
(信州大学 大学院工学研究科 社会開発工学専攻1年 坂牛研究室)


図1 調査風景


図2 キッズWSの様子


図3 プレゼンの様子


図4 展示の様子

僕らははじめてワークショップに参加した。

場所は 埼玉県八潮市 。長野から車で 4 時間ほどのところだ。この企画に参加している 5 大学の中で 2 番目に距離がある。(1番遠いのは東北工業大学。)遠い順に、東北工業大学の槻橋研、信州大学の坂牛研、茨城大学の寺内研、神奈川大学の曽我部研、日本工業大学の小川研だ。

この WS は 八潮市 につくばエクスプレス(通称 TX )が開通したことがきっかけで始まった。もともと電車の通っていなかった 八潮市 は陸の孤島と呼ばれ、東京に接していながら東京に行くに不便な街だった。それが今では秋葉原まで 20 分足らずで行ける。東京が近くなったおかげで 八潮市 はいまどんどん人口が増えている。それをきっかけに市では街並について考えるようになったわけだ。どんどん人口が増える。どんどんマンションが増える。じゃあそのとき街並は?八潮らしさは?そこで集められたのがこの 5 大学だった。

最初の WS は、まずはこの街がどんな街か知ることが大切ってことで、自転車で八潮をぐるっと回った。この街は市だけど小さいから北の端から南の端まで自転車で 1 時間もかからない。だから自転車が最適だ。八潮調査は一度ではなく何度もあったし、いろいろな場所を見てまわることができた。ときには長野から日帰りで行くような調査の日もあった。

もちろん調査だけしていたわけではない。ときには地元のこどもたちと一緒に架空の家を設計する WS をやったりもした。大学生 2 人・こども 2 人でグループを作り、こどもたちの住んでみたい家を模型にした。できた家は、クワガタの形をしていたり、家の中からうねうねした滑り台のようなものが伸びていたり、意外に三角屋根の家が多かったり、どれも楽しげな家だった。

11 月には今年のまとめのプレゼンテーションを行った。このときには調査のことだけではなく、そこから得られた考察も加えた発表であった。八潮の中で一番大きなホールで行われ、信州大学は僕を含め 5 人がステージに上がり発表した。このプレゼンは今年のまとめであるとともに、来年へ続くステップでもあった。

来年に何をやるかはまだ決まっていない。しかし、今年以上により密度の濃いものになるはずであるし、そうしたいと思っている。