日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!35号
学生シリーズ(富山)

学生による語り合いのシンポジオン2009を終えて

加藤 智子
(富山大学芸術文化学部 造形建築科学コース 3年)


シンポジオン風景 1


シンポジオン風景 2


シンポジオン風景 3


 学生による語り合いのシンポジオンは、建築学会北陸支部大会の中で学生が主体となって開く会です。同じ地域に住みながら普段は離れた場所で活動をしている学生が、年に一度集まり「地域の諸問題を対象とした設計・制作活動」というテーマでそれぞれの活動を発表します。また、このシンポジオンでは、学生同士の活発な交流も目的のひとつなので、発表形式も発表者と聞く側とのが近く、発表後には語り合いの時間が設けられていることも大きな特徴です。今年は昨年度より参加数も増え、5つの大学・専門学校から9つのチームが発表しました。さらに、新しい試みとして、学生が司会進行を進めたことも印象的でした。

  学外で発表するという体験は自分の経験値を上げ、他の学校の発表を聞くという体験は自分の世界を広げることができます。また、この会の大きなテーマである「語り合い」の時間は個々の作品を制作者と話をしながらじっくりと見たり、自分の作品についての率直な意見を聞くことができます。ここでは他大学の学生や先生方と、かしこまることなく自由に和気あいあいとした雰囲気のなかで意見交換ができます。様々な方に自分の作品を見て頂くと、自分では気付かなかった点のご指摘やアドバイスも多くもらえ、とても勉強になりました。

  わたしは昨年に続き2回目の参加でしたが、この会が終わるときにはいつも、来年もまたここに来てもっといい発表ができるようになりたいという気持ちになります。私にとってこのシンポジオンは、自分を客観的に見つめなおし、ステップアップへのやる気を導いてくれる、とてもよい機会です。

  都心に比べ、地方は学校数も少なくそれぞれが離れているためなかなか交流が生まれません。そんな中で開かれているこの貴重なシンポジオンに、多くの学生が参加することを期待します。今後は、こういう会で知り合った仲間と学校や地域を超えて一緒にプロジェクトをやってみたいです。