日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!36号

建築文化週間2009 開催報告 〜富山支所〜

「こどもたてもの探偵団」にみんな集まれ!



堀江 秀夫 (富山大学・北陸支部富山支所)


写真1 万葉線の中から気になる建物を探す子どもたち


写真2 昼食を食べながら「たてもの探検」について語り合う子どもたちとアルバイト学生

 子どもの頃から建物や街並みへの関心を深めることを目的に、小学生を対象とした街並み探検のワークショップである「第5回 こどもたてもの探偵団にみんな集まれ!」を、去る2009年10月10日(土)に富山県高岡駅前のウイングウイング高岡を拠点として実施した。
  いつもの見慣れている建物をデジカメで切り取って持ち帰り、「反対の感じのする一組のたてもの」を「対になる言葉」とともに発表する内容で、1チーム5人の地元の小学生が参加した。例年5〜7チームが参加していたが、今年は9月に富山大学内で新型インフルエンザ罹患者が発生し、行事の中止も一時考えたりしたため小学校への案内が遅れたこと、なるべく街中の行事には参加しないよう指導している小学校もあったこと等が、参加チーム減少の原因と思われた。
  5人の子どもたちは「たてもの探し」のため、9時30分に高岡駅前から郊外に向かう路面電車「万葉線」に乗って元気に出発。各チームには、安全確保と写真撮影補助のため、学会員と学生アルバイトが付き添っている。子どもたちは、「たてもの」がありそうな場所を地図で探して近くの停車場で降りては、青空の下、高岡の街並みを観察しながらパチパチ写真に撮り、また路面電車に乗って次の探検場所へ移動を繰り返した(写真1)。
  昼にはウイングウイング高岡に再集合し、昼食を取りながら(写真2)、子どもたちは学生アルバイトと協力して持ち帰った建物や街並みの写真をワイワイガヤガヤしながら「反対の感じのする一組のたてもの」を「対になる言葉」とともにまとめたパワーポイントのスライド作りを行った。今回は仲がよい小学生5人1チームであったため、非常になごやかな雰囲気であった。作業が終わった時点で、スライドをスクリーンに写しながら、一人ひとりが「たてもの」の説明と感想を発表し、子どもたちが緊張する場面となった。この発表に対して、功績を称える探偵団賞を授与して午後4時にワークショップを終了した。
  帰り際、子どもたちから「来年も必ず参加するから、またやってね」と言われたときは、やってよかったとしみじみ思いました。