日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!36号

建築文化週間2009 開催報告 〜石川支所〜

「加賀の建築」



村田 一也・森原 崇 (石川高専)


写真1 錦城中学校見学


写真2 空とこども絵本館見学

 北陸支部石川支所では,去る2009年10月10日(土)に2009年建築文化週間「加賀の建築」として,石川県の加賀方面に点在する近代・現代建築および歴史的建造物の見学会を開催しました。
  当日は金沢駅を出発し,講師の解説を交えながら,獅子吼高原,小松駅周辺,大聖寺駅周辺を主な見学地とし,獅子吼高原の獅子ワールド館(水野一郎氏設計)を始まりに,小松芦城公園周辺のまちづくりの様子として,修復された近代建築および本陣記念美術館(黒川紀章氏設計)の見学,中谷宇吉郎雪の科学館(磯崎新氏設計),大日盛酒造資料館,大聖寺駅周辺の建物として錦城中学校(安藤忠雄氏設計),県立九谷焼美術館(象設計集団設計),北前船の船主邸宅であった蘇梁館,実性院について見学しました。参加者は一般7名を含む23名で午前9時から午後6時までの見学会でした。
  小松市芦城公園周辺には最近改修の終わった建物があり,まちづくりの拠点施設となっています。絵本館ホール十九番館は登録文化財であり,旧加能合同銀行の建物で現在はホールとして利用可能になっています。また,2000年に開館した宮本三郎美術館と旧教育庁舎の外観を保存し改修された空とこども絵本館があり,この界隈は近代的な様相が残されています。
  また,大聖寺駅周辺は県立九谷焼美術館が市立図書館に隣接し,親水公園を要して周辺の景観をつくっています。北前船の寄港地として重伝建地区に指定されている橋立港から移築された蘇梁館に近く,昔ながらのまちなみも少なからず残っています。川沿いを歩いていくと錦城中学校にたどり着き,ここでは建物内も見学させていただきました。
  当日は天候にも恵まれ,現代建築はもとより,近代建築を活かしたまちづくりや景観保全の様相について学ぶ機会になったかとおもいます。