日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!36号
2009年度 若手優秀プレゼンテーション賞 受賞にあたって

研究の意義を深く考える

飯塚 勇太
(新潟大学)

発表タイトル:
ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数の解析実験について <環境系>


音響管での実験


一般居室の実験

 私は現在、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴特性に関する研究を行っています。ヘルムホルツ共鳴器はネックと呼ばれる細い開口部とその背後に空洞部を備えた構成で、ネック部の空気が塊となり背後空洞部がバネのような働きをすることで、ある特定の周波数で共振運動を生じ、吸音する機構となることが知られています。また、理論では単純な共鳴器は開口部で共鳴周波数の粒子速度が増加し音圧が低下すると言われています。しかし実際の測定を行った結果、これに従わないことが判明しました。この研究ではヘルムホルツ共鳴器の一般の音場における音響特性の評価を行うことを目的としています。
  プレゼンテーションをするときに特に大切と考えたことは、自分の研究に対して一つ一つ細かいところも理解していくことです。研究の意義をしっかりと持つことで発表も質疑応答もメリハリのあるものにできると思います。
  この賞をいただいたときはとても驚きましたが、日々の研究の成果を皆さんの前で発表し、このような賞をいただけたのをうれしく思います。また、熱心な指導をしてくれた先生や協力してくれた研究室のメンバーにも大変感謝しています。これを糧にこれからも研究に励みたいと思います。