日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!36号
2009年度 若手優秀プレゼンテーション賞 受賞にあたって

寒冷地の住宅における給湯負荷とCO2ヒートポンプ給湯機の効率に関する研究

小澤 明也
(信州大学大学院工学系研究科社会開発工学専攻修士課程1年)


図1 計測対象住宅における全2次エネルギー消費量に対する用途別の2次エネルギー消費量の割合


図2 CO2ヒートポンプ給湯機

 この度は若手プレゼンテーション賞に選出いただき、光栄に感じております。発表させていただいた、住宅における給湯用途での消費エネルギー及び高効率給湯器に関する事柄は、今後の住宅での省エネを考える上で非常に重要なテーマです。住宅の消費エネルギーの三割を占めている給湯での消費エネルギー(図1)を削減するには、高効率給湯器の普及が必要となります。
  普及してきている高効率給湯器には、様々な種類があります。そして、それぞれに特性があります。その中でも、CO2ヒートポンプ給湯機(図2)は大気中の熱を用いるため、環境条件がキーポイントになります。そこで、夏は暑く冬は寒い長野におけるCO2ヒートポンプ給湯機の実態調査は、今後の高効率給湯機の利用を考える上で重要です。今回の発表では、長野市の戸建住宅一棟についての調査を報告させていただきました。調査結果としては、貯湯タンク内に残ってしまう前日の湯が、夏期間の効率の低下に起因していました。CO2ヒートポンプ給湯機は、季節毎に変化する湯の使い方に合わせた運転をさせることが省エネを図る上で重要です。
  最後に、北陸支部大会における自分のプレゼンを一言で表すとしたら「七転び八起き」です。発表の際に失敗してしまった部分がありましたが、発表も含め研究はtry&errorの繰り返しであり、転んだらもう一度起き上がればよいと感じました。