発表のテーマは、最近一般国道などで普及している、排水効果や吸音効果を有する排水性舗装の吸音特性の変化についてです。この舗装は、長期間使用すると舗装内の空隙がふさがり、効果が薄れてしまいます。効果を持続させるためには空隙の清掃や舗装の打換えが必要であり、それらを行う時期の検討や清掃後の効果の回復の評価を行うために、舗装の空隙の状態の健全度の診断が必要となります。一方、これまでの研究で、健全な状態の排水性舗装の吸音特性を測定した場合、特定の周波数で吸音のピークが確認されることが分かっています(図1)。今回は、本研究室で取り組んでいる音響特性から排水性舗装の健全度を計測する方法を確立させるためのデータ収集として、実際の舗装の経年変化や規格の違いによる舗装の音響特性の変化を、人工的に目潰れ、目詰まり状態にした試験体や、規格を変えた試験体を使った実験で観測しました(図2,3)。
発表では、膨大な試験体の吸音特性のデータをどの様に見せるべきか非常に頭を悩ませました。今回はアニメーションを使い、なるべく見やすくて分かりやすい図になるよう心がけましたが、頂いたプレゼンテーション賞を励みに、これからも工夫を重ねていきたいと思います。
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