日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!37号

北陸支部大会研究発表 若手優秀プレゼンテーション賞の受賞にあたって

発表題目:「雪処理方法の変化とそれに対応した雁木町家の利用
     −上越市高田の事例検討−」


中村 健太 
(新潟大学大学院自然科学研究科環境共生科学専攻2年)



写真1 積雪時の道路【平成22年(2010)】


写真2 雁木の雪囲い


図1 積雪時の雁木通り断面図


 今回の研究発表では、豪雪地である上越市高田において、道路(写真1)の雪処理方法の変化に着目し、それぞれの雪処理方法に対応した雁木町家の利用を把握することを目的としました。昭和30年代まで、屋根から道路へ下ろした雪は人力により処理されていました。昭和30年代後半から機械除雪へと移行すると、屋根の一斉雪下ろしが行われるようになり、それに合わせた町家の建て方がみられるようになりました。一方、雪処理方法が変遷する中でも、雁木の雪囲い(写真2、図1)など、雁木通りに配慮した各住戸による雪処理が現在でも変わらずに行われています。

  発表の際に心がけたことは、調査や分析を通して「分かったこと」をはっきりと述べることでした。分からないことは分からないと割り切り、自信を持って発表を行いました。それが良い結果につながったのだと思います。

  若手プレゼンテーション賞に選出していただいたことにつきましては、誠に光栄に感じております。この場を借りて、指導をしてくださった先生、また調査や発表練習に付き合ってくれた研究室の皆さんに感謝致します。この賞を励みに、今後もさらに研究を進めたいと思います。