日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!37号

北陸支部大会研究発表 若手優秀プレゼンテーション賞の受賞にあたって

発表題目:「捨型枠付版状立体溶接鉄筋を用いたRC床スラブの
      構造性能に関する研究」


吉澤 梓 
(新潟工科大学工学部建築学科4年)



図1 FD床版の構成及び溶接状況


図2 現場での敷き込みの様子



 この度はこのような名誉な賞に選出して頂き、光栄に感じています。私は今回、「捨型枠付版状立体溶接鉄筋を用いたRC床スラブの構造性能に関する研究」という題目で、近年の高層建築などの施工において利用されてきているFD床版について発表させて頂きました。FD床版とは、一般的に用いられている在来床版にトラス筋を配筋し、下部に鋼板を溶接したもので、現場で敷きこむことによって型枠・鉄筋工事が同時にでき、作業や管理の簡略化が図れる床版です。

  このFD床版は、下部の鋼板が捨型枠とされているため、鋼板などの各部材の耐力が構造性能に算入されていないのが現状です。そこで、FD床版の各要因を変化させて部材実験を行った結果、FD床版は各要因が有効に働き、在来床版よりも構造性能的に優れているという結論を得ました。

  建築学会での学生の発表では大学院生がほとんどですが、私は今回、学部4年次で発表に臨みました。パワーポイントは、一番にわかりやすさを考え、出来るだけ文字を減らし、効果的なアニメーションを加えて作成し、当日は、不安でいっぱいでしたが、何度も発表練習を重ねたことや先生・先輩からのアドバイスを思い出しながら、精一杯力を出し切れたと思います。今回の受賞を励みに、今後の研究に精進していきたいと思います。