苔は和歌に多く登場し、古来より我々日本人の身近にあった。国歌にも登場する。苔は長い年月や古びた様子を表現したり、あるいは死を隠喩することもあった。英語では「A rolling stone gathers no moss(転がる石に苔はつかない)」ということわざがある。「落ち着かず動き回る人には能力が身に付かない」「活動的に動き回る人の能力は錆付かない」と、苔は良い意味にも悪い意味にも使われている。西芳寺は苔寺で有名だが、作庭当初は苔がなかった。南極やヒマラヤに生息する苔、銅を好む苔もある。苔の話は奥深い。