日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!38号

北陸支部大会研究発表 若手優秀プレゼンテーション賞の受賞にあたって

発表題目:
「熱可塑性樹脂による建設用炭素繊維複合材料の基礎的研究」

野田 穂奈美 
(小松精練株式会社)


  この度は、若手優秀プレゼンテーション賞を受賞し、心より嬉しく思っています。

  研究タイトルは、「熱可塑性樹脂による炭素繊維複合材料の基礎研究」です。これは、これまで、炭素繊維複合材料(CFRP)に使用されてきた熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂にすることで、成形性、加工性、リサイクル性に優れ、且つ効率的な材料運搬が可能である材料とし、本研究ではそれらを建設部材に展開する第一歩として、内層に炭素繊維、中層に合成繊維、外層にビニロン繊維からなる組紐状複合体構造の提案・開発を行い、その基礎特性となるCFRP(組紐状複合体)の最適な強度測定方法について実験にて検討を行うという内容です。

  学会での研究論文発表は、初めての経験ということもあり、不安な気持ちもありましたが、今回の受賞によって、プレゼンテーションに少し自信を持てるようになった様に思います。

  発表に関しては、誰が聞いても分かるようにという点を意識し、パワーポイント作成から発表リハーサルまで、指導教員、上司との相談、アドバイスをいただきながら準備をしました。発表準備段階で、研究内容の理解が深まり、明確になった部分も多くありました。さらに、どんな質問に対しても、行った研究範囲内で的確に答える事ができたのもこの受賞に繋がったのではないかと思います。現在も、本研究の延長上の研究開発に携わっていますが、成果を様々な人に伝え、理解してもらうことはとても大切なことだと思います。

  今後も、プレゼンテーションを行うことがあると思いますが、この経験を活かし、仕事をする上でもプラスにしていきたいと思います。短い時間の中で、この研究内容が建築関係の方々にご報告出来た事は、とても励みになり、有意義な発表であったと感じております。