日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!38号

北陸支部大会研究発表 若手優秀プレゼンテーション賞の受賞にあたって

発表題目:
「RC梁部材の靱性能にコンクリート強度およびせん断補強筋量が
 及ぼす影響に関する実験的研究ーその1 実験概要」


藤田 貴弘 
(新潟工科大学大学院自然・社会環境システム工学専攻修士課程)



図1 実験フレーム


図2 塑性ヒンジ領域の変化


図3 限界変形角-せん断余裕度関係


  この度は、若手プレゼンテーション賞を頂き誠にありがとうございます。これまでの学生生活の一つの集大成としての発表がこのような形で実らせることができ大変嬉しく思っております。

  私は今回、RC造梁部材における材料強度の違いがその構造性能、特に変形性能へと与える影響について把握する実験について発表させて頂きました。

  現在、RC造建物は基幹構造の一部となり精力的に採用され、時代のニーズに答えることにより超高層化が実現されてきました。それに伴い数多くの高強度材料が開発され、設計者が選ぶことのできる選択肢は非常に多様化してきています。しかしその反面それらを様々な条件で組み合わせた部材に関する研究は多くなく、不明瞭な部分もあるのが現状です。そこで私たちは、コンクリートとせん断補強筋の材料強度のバランスを変化させた部材の実験を行いました。その結果、より高強度コンクリートを使用した梁において、形成される塑性ヒンジ長さが狭くなることによって変形性能に影響を与える可能性があるということを報告させて頂きました。

  発表に関しては、終始聞いた頂いている方に理解していただけるようにと心がけ、具体的には、単に実験内容を報告するのではなく、自分の言葉・振る舞いに抑揚をつけることで重要な部分は印象づくようにしました。今後、社会に出ても発表という機会は多くあると思うので今回得た経験を活かしていこうと思います。