日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!38号

北陸支部大会研究発表 若手優秀プレゼンテーション賞の受賞にあたって

発表題目:
「列状村<下山>の土地利用から見た生産と生活の領域構成
 ー越後平野西部の村落構成に関する研究 その6」


錦 舞子 
(新潟大学大学院自然科学研究科環境科学専攻)



図1 コウジ空間


図2 クグリバの様子


図3 オモテ-ウラ方向屋敷断面図


図4 カミ-シモ方向集落断面図


  今回の研究発表では、越後平野の河川沿いに位置する列状村<下山>の土地利用に着目し、生産と生活の領域構成を把握することを目的としました。生産に着目すると、耕地は、現在(2009)では屋敷の北側に大きくまとめて所有されているのに対し、耕地整理以前(1910)には、屋敷の近い所ではまとめて所有され、離れた所では一筆一筆分散して所有されていました。生活に着目すると、耕地整理前後ともに居住域内に畑が所有され、屋敷間を通る小路やカミ-シモ方向をつなぐクグリバを利用して行き来が行われました。小路空間は主屋の表または裏に付属屋を持ち、カミ側にタケヤブを配し、シモ側を入口とするカミ-シモに対応した屋敷構えを持つ屋敷が連続することで形成され、生産と生活の両方面からの利用がみられます。

  発表の際には、「説明をするのではなく、相手に伝える」ということを意識し、聞き手にとって聞きやすい発表をすることを心掛けました。

  若手プレゼンテーション賞に選出して頂き、誠に光栄に感じております。発表の際に、質問を頂いた方にうまくお答えすることができなかったという悔しさもあったため、今回の受賞はとても嬉しく思っております。ありがとうございました。