日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!40号

■北陸支部活動報告

支部長の就任に当たって



吉田 純一 (日本建築学会北陸支部長・福井工業大学)


 一昨年暮のことだったと思いますが、当時、北陸支部長であった西村先生から次の支部長を受けてくれるよう依頼の電話が入りました。福井へ戻って20数年たち、その間、支部大会には欠かさず、論文の投稿や発表は行ってきたものの、支部役員としては一時、常議員をつとめ、一年前から福井支所長をつとめているだけ。こんな私がなぜ支部長?との疑問を抱きながらも西村先生の熱意や「年5.6回、本部での支部長会議に出席すれば良いだけだから・・」との甘い言葉にほだされ、かつ一方では背後に東京工業大学時代の先輩である久保事務局長のお顔がちらつき、ついつい断りきれずにお引き受けしてしまったというのが実状です。

 でも冷静に振り返ってみますと、これまで研究、教育を継続してこれた背景には、支部大会への論文の投稿・発表が念頭にあったから、すなわち北陸支部の存在があったからに他なりません。また、我が福井工業大学は北陸支部に身を置きながらも本学教員が主要な支部役員を受けることが少なく、他の支所の皆さんのお世話になりっぱなしであったこと、特に福井支所にあっては福井大学さんにすべてを任せ、「おんぶ」に「だっこ」の状態が続いておりました。何とかお返しできれば・・こんな思いも承諾の背景にあったように思います。

 大役をお引き受けしたものの、建築学会が一般社団法人への変動期という重要性やそれに伴って生じるさまざまな課題も理解していませんし、北陸支部に横たわる問題や課題についても何一つ知らない状態です。すべてがこれから・・。先行きは不透明なままです。

 でも5月に支部長を拝命してから本部会議に出席しているうちに建築学会が抱える諸問題や課題が少しずつではありますが、見えてきています。また、他の支部の実状を伺っていますと、会員数は少ないものの、北陸支部もまんざらではないぞ、との意も強くしつつあります。

 支部会員のひとりひとりが積極的に活動を展開していけば、北陸支部がより発展していく道が開け、難題も解決していけるのでは・・・、こんな思いを強く感じるようになってきました。

 お引き受けしたからには、会員各位にご迷惑がかからぬよう、かつ一人一人が活発に活動できるよう、精一杯努力し、北陸支部の発展に少しでもお役にたちたいと考えております。

 いずれにせよ、頼りのない支部長であることは間違いない事実。会員各位の絶大なるご協力、ご支援、ご理解がなければ、北陸支部が衰退していくことにもなりかねません。どうか、この点をご理解いただき、これまでの支部長以上に、温かいご支援・ご協力をお願い申し上げ、支部長就任のご挨拶とさせていただきます。