日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!42号

建築文化週間2012 開催報告 〜富山支所〜

集合!みんなはたてもの探偵団



秋月 有紀
(富山大学人間発達科学部人間環境システム学科 准教授)



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 身近な建物や町並みに興味を持ちながら、都市の安全・防災・防犯を考えることを目的に、小学生3年生〜5年生を対象とした町並み探検のワークショップ「第8回集合!みんなはたてもの探偵団」を、去る2012年10月27日(土)に富山市で実施した。

 10時に富山大学人間発達科学部第2棟211教室に集合し、まず富山市の町並みや防災対策などワークショップの全体説明を行い、その後、班毎に分かれて探検を行う調査地域の特徴やハザードマップ・ヒアリングする施設や建物の説明を行った。そして安全ベストを着用後、デジタルカメラ・筆記用具・弁当などを持参して富山市内の4箇所の探検ルートに向けて班毎に出発した。参加した小学生は3年生6名・4年生4名・5年生3名の計13名で、@富山市消防局〜南富山駅の町並み探検、A中分署消防署〜JR富山駅の町並み探検、B富山県庁〜富山市役所の町並み探検、C五幅公園〜富山大学の町並み探検に分かれて行動した。それぞれの班には、安全確保と写真撮影補助のため、建築学会員2〜3名と富山大学人間発達科学部学生2名が付き添った。ヒアリング先では、地域の安全・防災・防犯や町並み景観にどのように取り組んでいるか、子ども達が直接関係者に質問し、はしご車試乗や消防服着用など様々な体験を行った。当日は天候も良く、探検時に立ち寄った太郎丸公園・環水公園・富山城址公園・五幅公園で班毎に楽しく歓談しながら昼食を取った。

 13:30頃に全員が富山大学に戻り、約2.5時間かけて、探検ルートで収集した写真やヒアリングメモをA0版の模造紙に地図と共に書き込み、班毎の防災探検マップを4作品完成させた(写真1)。そして迎えに来られた親御さんたちと一緒に、防災探検マップを使いながら探検内容の報告を班毎に行った(写真2)。@班のマップは様々なマンホールの写真と防災クイズを盛り込んだものに、A班のマップは中分署消防局のヒアリング結果を詳細に報告、B班のマップは市内にある種々の公共交通を紹介、C班のマップは探検ルートで見つけた沢山の建物写真を貼り付けた、それぞれ個性豊かな素晴らしい作品に仕上がった。最後に富山大学芸術文化学部渡辺雅志准教授が作成した記念品(写真3)を参加した小学生一人一人に渡し、集合写真(写真4)を撮影した後17時に成功裏に終了した。