日本建築学会北陸支部広報誌 Ah!44号

■建築の現場シリーズ(富山)

北陸新幹線、新高岡駅新築工事の施工にあたって

齋藤 篤
(佐藤工業株式会社北陸支店 北陸新幹線、新高岡駅(建築)作業所 所長)



図1 新高岡駅鳥瞰図



図2 鉄骨建方計画図
(本屋部分鉄骨建方の図を採用)



写真1 鉄骨ストックヤード


写真2 鉄骨建方状況


写真3-@ 外部足場解体状況


写真3-A 外部足場解体状況


写真3-B 外部足場解体状況

 北陸新幹線、新高岡(仮称)駅の設計コンセプトは、「飛越能の自然・伝統・技術が融合し、新たな時代を具現化するデザイン」とあり、瑞龍寺の回廊・縦格子(さまのこ、ささら戸)がモチーフで、外壁は合掌造り、高岡銅器、能登の珠洲焼などを感じさせる色合い等があげられます。(図-1) このことからも、外装・内装を通じて地元の材料・製品等をできるだけ採用しており、現場からの発注も産地等をこだわりながら実施しております。

 当現場の施工にあたっては、下記の項目について、特に注意を要しました。
 A. 高架下及び高架上に建屋を新築するため、既設高架橋構造物に損傷を与えないように計画・施工する必要がある。特に高架下においては、作業状況に制限がある。
 B. 特別高圧送電線直下で鉄骨建方・屋根葺き作業があり、厳重な注意を要する。
 C. 営近工事(城端線上での)作業があり、作業方法について、十分な打合せを要する。
 D. 作業においては、土木、軌道、電気(通信、信号、電車線)、機械工事等と競合し、周辺整備工事とのラップ作業があるので、打合せ・連絡調整を密にして工程を進める必要がある。
 E. 新高岡駅周辺は区画整理工事を施工している為、工事車両経路が複雑であり事前に周知しておく必要がある。

 工事は平成24年9月に着手し、1階コンコースの土間躯体工事から上家鉄骨工事とすすめ、営業線近接工事の鉄骨建方は3月下旬に開始し、全ての鉄骨工事の完了は平成25年4月25日でした。

 現況としては、外装工事がおおむね完了して外部足場を順次解体中であり、これからは内装工事に入っていきます。

 平成26年8月末の竣工を目指し、職員、作業員一丸となり、発注者はもとより地域の皆様からの信頼と満足を得られるような建物を完成させるように努めてまいります。


■工事概要

工事名称 北陸新幹線、新高岡(仮称)駅新築
敷地面積 3,489.54 u
延床面積 6,725.85 u(申請上は1,323.39u)
構造・階数 鉄筋コンクリート造2階建て、上屋は鉄骨造
軒高 17.7m
最高高さ GL+19.8m
最大スパン 23.5m
建物長さ 313m
主な仕上げ

屋根 二重折板葺き
外壁 アルミカーテンウォール、セメント成形板
契約工期 平成24年5月30日〜平成26年8月29日
発注者 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 北陸新幹線第二建設局
設計者
活イ設計大坂支社・椛n建築事務所共同企業体
施工者 佐藤工業・竹中土木・砺波工業 特定建設工事共同企業体