2002年度北陸建築文化賞受賞(作品)01

 千手温泉 千年の湯

 内田文雄+龍環境計画

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    南東から見る千年の湯の全景
新潟県 川西町賑わい空間創出事業における試み
地域強制型建築の計画手法

概要
 川西町は、新潟県中越地方の十日町盆地の信濃川西岸に位置する、人口約8300人余りの小さな町である。人口の流出と高齢化に伴い生活基盤が脆弱化していくという状況にあって、町ではまちなかに暮らしの中心となる拠り所を再生するために平成11年3月「賑わい空間創出事業」への取り組みを始めた。
この計画は、プロポーザルコンペでの選定を受けて始まった。先ず一年をかけて町民ひとりひとりが「あてにできるまちなか」とは何か?という課題に対してワークショップで議論を重ね、真に必要な公共施設と商業施設からなる計画を練り上げた。 そして、施設計画の第一弾として千手温泉千年の湯が平成13年11月に竣工し、現在も引き続き住民参加による計画づくりを進めている。

計画づくりの特徴
徹底した住民主体の計画づくりを実践
 ・「賑わい空間創出事業」の構想づくりへ住民の主体的参加
 ・施設の建設への直接的住民参加
  工程の節目に様々な企画を検討し、住民への説明に努めた。
  特に、屋根まつりは町をあげてのイベントとして取り組み、約650人の住民が
  参加した。
 ・施設の運営への住民参加
  最初に整備した千年の湯は設計・施工の段階から運営について住民主体で
  検討を重ねた。
  運営主体としてまちづくり会社を設立し、自主的運営に当たっている。

賑わい空間基本構想

敷地の形状に合わせてゆるやかな曲線を描く屋根と雁木空間 建物の南側に沿って連続する雁木空間
信濃川の玉石をすりばち状に積み上げた湯のニワ 雁木から大広間を見る
陽だまりサロン 受付カウンター・入口周辺
大広間 陽だまりサロンとラウンジ
陽だまりラウンジ  陽だまりラウンジ 
桧風呂  信濃川の玉石を厳選して積み上げた玉石風呂
介助を必要とする人も一緒に楽しむことができるゆったりとした家族風呂 入浴後ゆったりと体を休めることができる仮眠室