2006年度北陸建築文化賞受賞(作品)

横河電機(株)金沢事業所

設計:大成建設(株)設計本部 関 政晴
<選評>
産学官協働もめざした研究開発部門と製品の生産・サービスまでの一貫した工場群として、建物を周辺の山並みに配慮して低く抑えて計画されている。主要な研究である磁場の計測装置とシステム開発を行う研究部門は、周辺の環境からの磁性体の影響を避けるために電磁シールドが行われているとともに、研究室の建物自体が大きな水面で囲まれている。この水のある空間は、必要な研究環境を獲得するとともに秀逸な景観をも実現しており、造形的に計画された大きなガラスの開口と研究空間との間には、自然光がゆたかに入る水辺に接する語らい・交流の場が水面に浮かび上がるように、舞台化されている。水を巧みに工場群に生かした優れた計画である。