2013年度北陸建築文化賞受賞(業績)


リプチの森 間地づくりプロジェクト



轄sc建築設計事務所 高田清太郎
<選評>
デベロッパー事業は、効率・利益を第一に捉えた町づくりを行って来た。しかし、近年、グリッド型の道路に切られた区画整備から、豊かな環境を提案する町づくりに移行してきた。だが、開発された土地は個のためのものであり、道路は単に移動する空間であった。本プロジェクトは、そんな開発に一石を投じた業績である。「再び(リ)小さな(プチ)森をつくろう」を合言葉に、2006年から継続的に行われたまちづくりである。自然との共生・歴史との共生・人々との共生をコンセプトにした、プロジェクトでもある。公園を中心に、緩やかなカーブを描く道・コモンスペース・遊歩道・水と親しむ水門柱・実のなる木リプチの丘・住民参加型の町を育てる活動、住宅と店舗、福祉施設を混存させた配置計画など様々な仕組みを暮らしの中に創造している。集まって住むというコーポラテイブハウスの精神を、48区画の土地開発プロジェクトの中に見事に反映されている業績である。