2015年度北陸建築文化賞受賞(作品)


川通どれみ保育園



建築主   社会福祉法人 どれみ福祉会
設計    木村博幸 長建設計事務所
共同設計/意匠担当 山下秀之 長岡造形大学
共同設計/構造担当 江尻憲泰 江尻建築構造設計事務所
建築    大石・山崎特定共同企業体
設備    サンライフエンジニアリング
電気    三栄電設
外構    大石組

<選評>
「川通どれみ保育園」は、木の架構体が保育室を包む中に多様な空間を創り出している極めて巧みにデザインされた保育園である。敷地を跨ぐ45度の分割線に沿って、保育室群と管理諸室が計画的に配置され、雁行して並ぶ保育室は、二つの大きなグループ(未満児〜2歳児、3歳児〜5歳児)に分けられて、南の暖かい陽に向かった気持ちのいい活動空間となっている。保育室と廊下を仕切るガラス戸を開くと全空間が繋がって、園児の動き回る楽しい遊び場となる。園庭に向かっては雁木が保育室に架かり内と外の空間を柔らかく結ぶ役割を担っている、保育室に載る切り妻の屋根の並びは、保育園に美しい町並みを創り出すことに成功している。多様な高さで使うことが出来る椅子や壁に並ぶデンのデザインも園児の心をとらえる楽しさを持つ。園児と管理動線との分離もきれいに計画され、多くの計画提案と優れたデザインが融合した秀逸な建築作品として高く評価される。
©佐武浩一
©新建築写真部