第1回 28℃オフィス環境WG 議事録



日時:平成18年5月18日(木)18:00〜20:00

場所:日本建築学会 建築会館会議室201号室

参加者
  田辺新一(主査・早大)、岩下剛(幹事・武工大)、秋元孝之(関学大)、
  淺井万里成(日本設計)、小林弘造(日建設計)、佐藤孝広(久米設計)、
  都築和代(産総研)、堤仁美(早大)、栃原裕(九大)、中野淳太(東海大)、
  西原直枝(早大)、宮本征一(摂南大)、羽田正沖(記録・早大院)  (敬称略、順不同)

資料
 (資料1-1) WG設置申請書
 (資料1-2) 28℃オフィス環境WG委員名簿(案)
 (資料1-3) 2006年度日本建築学会大会 OS「夏季オフィスの温熱環境」
       クールビズと知的生産性・省エネルギー・室内環境(田辺)
 (資料1-4) CLIMA2005 Plenary: Productivity and Future HVAC(田辺)
 (資料1-5) 日本建築学会環境系論文集, 第585号, pp.55-60, 2004.11
       室温の違いが作業効率に及ぼす影響(岩下)


議事内容
1. 資料説明および討議内容
@委員の紹介
  淺井万里成、佐藤孝広の二名が公募により本WGに参加し、委員として承認された。
  羽田正沖が委員として未記載であったため、委員名簿に加えられた。

A本WGの設置目的及び活動計画について
  田辺主査より資料1-1をもとに、WGの設置目的と活動計画について説明があった。
  活動目的は各回数名の話題提供者を設定して温暖化対策に向けた 28℃オフィスの調査および研究に関する発表および意見交換を行うことである。 設置期間は2年間、活動頻度は2〜3ヶ月に1回を予定している。 本年度はオフィスの温熱環境に関する国内外の文献の収集と検討、 オフィス在室者のパフォーマンスに与える影響に関する知見の整理と検討、 温熱環境設定が消費エネルギー量に与える影響に関する知見の整理、 着衣の熱抵抗に関するデータの収集、 情報提供のためのホームページの立ち上げを予定しており、 来年度はこれらの項目の継続とともに、シンポジウムの開催を企画し、活動内容をまとめる。

B研究活動紹介・報告
  田辺主査より温熱感と知的生産性、エネルギーに関して、 また岩下幹事より研究活動に関して一部報告され、自由な形式で議論が行われた。
  京都議定書が発効し、日本でも温室効果ガスの削減が義務付けられた。 建物に関係する二酸化炭素排出量は36%になり、その56%は運用段階で発生している。 G8サミット(2005年7月・グレンイーグルス)では、 各国の自動車や船舶、建物などの「効率」を表示していく行動計画で合意が得られ、 2008年の東京サミットでのとりまとめが予定されている。 欧州で施行されたEU Directiveは照明や空調による消費エネルギーもしくは CO2排出量から建物のパフォーマンスを表示することを義務付けたものであり、 その算出に当たっては室内環境に対する配慮も必要とされている。 コールコントロールのデータを一年間収集した研究では、 温度が1℃暑くなるにつれて2.1%作業効率が落ちた結果が得られた。 室内温度を対象とした研究はこのほかに、実験により作業効率と疲労、 環境への満足度などを関係付けた成果も得られており、 今後も評価方法を検討しながら環境と生産性について研究を重ねていく。
  「28℃の環境」に対してその温度分布、湿度、換気、日変動性などは WG内での用いる主要な用語として統一した認識を持っておく必要があり、 今後この言葉の定義について議論していく。 また室内の評価をする際には、物理的要素などのほかに労働条件や形態などを考慮した検討も必要である。

2. 次回開催予定
日時:平成18年7月24日(月)18:00-20:00
場所:日本建築学会 建築会館会議室
議題予定:岩下幹事、中野委員による話題提供


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