意見公募

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水害対策の現状

MessageType: 意見
Username: 石田 陽子
UserAff: 九州大学工学部建築学科  1te99003y
UserEmail: te199003@cse.ec.kyusyu-u.ac.jp
日付: 99/07/29
時刻: 15:16:28
リモート名: 133.5.1.3

Comment

この間九州北部に大雨が降った。想像以上の大雨で、電車は不通にな り、通学のために私も急いでバスに乗り換えたが結局地下鉄まで乗り 継いで、いつもなら1時間半位で行けるところが5時間もかかってし まった。しかし、家に帰ってテレビを見てみると、博多駅及びその周 辺はとても大変なことになっていたのだ。地下に浸水し、停電になっ て駅は機能がストップし、死者まで出る大惨事になっていた。どうし てこのように被害が大きくなってしまったのだろう。 問題は地下にあるのではないだろうか。地下街を作る際には、様々 な状況を想定して設計されている。当然水害対策も為されているはず である、私はそう思っていた。しかし、新聞で調べてみるとJR九州 は水防マニュアルを作っておらず、防水シャッター等の設備も備えて なかったことが分かった。つまり今回のような規模の水害は想定され ていなかったのだ。  一方で法規の問題もある。福岡市によると建築基準法や消防法には 地下建築物の水害対策に関する明確な規定はないということで、結局 安全対策は建物管理者の自主性に委ねられている。建物の利用者の生 命に関わる重要な項目の重要性に対する認識不足が感じられる。  今回の水害は豪雨に満潮が重なって付近の川が氾濫したこともあり、 様々な要因が絡んでいるが、建物の水害対策が為されていなかったこ ととそれを支える法律が整ってなかったことは早急に見直されるべき 問題である。建物は外の環境から身を守ることを目的として始まった もので、人の安全性は絶対に忘れてはならないことだ。そして社会を 理想の方向へ率いていくことが法律の存在意義なのではないだろうか。


最終更新日: 2000/07/21