その2

宮代町立笠原小学校

 「笠原小学校」は、「学校はまち・教室は住まい・学校は思い出」というキーワードをもとにいろいろなイメージを投入して建設されました。 それまでの学校建築のありかたを根底から問い直し、町の多くの人と意見を交換してその場所やそこに集う人々のことが充分考えられました。 次代を担う子供たちを育む場所としての大きな期待をこめて1982年に完成しました。
そこで生活する子供の目線から考えられた各部の空間は、夢のような楽しさでいっぱいです。 教室を一歩出ると、そこはもう限りなく外に近い吹き放しの廊下。 その向こうには緑のあふれた中庭があり、校庭へと導きます。 列をなして並んだ柱の向こうにはやはり光に満ちた緑があり、気持ちのよい風がふいているといった具合です。 冬はちょっと寒そうですが、子供たちははだしで廊下を飛び回っています。 この学校を巣立った大人はきっといつまでも子供のころの夢を持ちつづけられるのかもしれません。
2000年からは新しい試みとして教室の一部を町民の集う場や社会福祉施設として利用しています。
                         文責:手島 亙
笠原小学校データ

所在地:埼玉県南埼玉郡宮代町字百間1105
主要用途:小学校
構造・規模:鉄筋コンクリート造2階建
敷地面積:29,562u
延床面積:7,129u
設計:象設計集団
構造設計:田中弥寿雄
施工:佐藤工業
竣工:1982年3月
ぶらり宮代建築探訪