埼玉・住まい・まちづくり2002交流展
埼玉県内の市民・企業・大学・自治体の交流を目的に、各団体がパネル展示による活動紹介、セミナー、交流会等を行いました。
開催概要
<目的>
埼玉県内の住まい・まちづくりの団体が集まり、日頃の活動を発表するとともに、新たなネットワークの構築を目指します。
<場所>
さいたま新都心 彩の国8番館
<期間>
2002年 10/25(金)〜10/29(火)
<参加団体>
・日本工業大学伊藤研 ・芝浦工業大学桑田研 ・芝浦工業大学堤研
・まちづくり市民活動を支援する学生NPO「場助っ人(ばすけっと)」
・ものつくり大学中村研 ・日本大学宇杉研 ・JIA埼玉
・埼玉建築設計監理協会 ・埼玉県建築士事務所協会・埼玉建築士会
・埼玉住まいの会 ・高齢者住宅相談ネット ・聖学院NPO
・都市づくりNPOさいたま ・上尾まちづくりの会
・彩のくに豊かな住まいまちづくり推進協議会 ・埼玉県県土づくり企画課、住宅課
・さいたま市 ・さいたま市北部拠点宮原地区まち協
・埼玉大学深堀チーム ・県内工業高校建築科 ・富士見市
・木の家大好きの会 (順不同・敬称略)
<主催>
日本建築学会埼玉支所
048-861-2394 fax048-861-2384
<共催>
埼玉県、さいたま市
<後援>
都市基盤整備公団
パネル・模型の展示
<展示団体>
県内建築系大学卒業設計優秀作品、埼玉景観賞作品、県内大学の住まいまちづくり提案、秩父まちづくりコンペ受賞作品、松原団地コンペ受賞作品、同潤会コンペ受賞作品、NPO団体活動パネル、高齢者住宅ネットワークの改修事例パネル、民家再生パネル、県内大学生卒業設計展作品、さいたま北部拠点ブース、大宮駅東口区域再生プラン、氷川の杜まちづくり協議会、住まいの会活動パネル、行田まちづくり提案パネルほか
松原団地アイデアコンペ模型展示協力:草加市
<展示の様子>
<交流展 準備 2002年10月25日>
ダンボール(180cm×90cm)を下図のように切断し、それを組み合わせることによりパネル展示用のボードを作成した。
■ダンボール図面
■完成図
<交流展 会場レイアウト>
展示スペース略図
イベント
<日程表>
25日(金) |
第1回学生まちづくり学会 |
学生NPO「場助っ人(ばすけっと)」 |
26日(土) |
アーチを組み立てる |
埼玉住まいの会 |
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大人と子供のための建築模型教室 |
芝浦工業大学堤研究室+建築学会埼玉支所 |
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子供のための建築探検隊 |
芝浦工業大学桑田研究室+建築学会埼玉支所 |
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内田祥哉先生講演「建築のつくられ方」 |
JIA |
27日(日) |
介護・医療・建築の専門家が行う |
高齢者住宅改修ネットワーク |
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高齢者疑似体験会 |
日本建築学会埼玉支所 |
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ポスターセッション |
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お父さんが伝える民家再生 |
日本工業大学伊藤研究室 |
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まち人の集い(交流会) |
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住宅改修パソコン診断 |
埼玉建築設計監理協会 |
28日(月) |
埼玉都市づくりアカデミー |
埼玉県県土づくり企画課 |
<学生まちづくり学会2002 〜学生が地域で果たす役割を探る〜 >
企画・主催 :まちづくり市民活動を支援する学生NPO「場助っ人(ばすけっと)」
後援:埼玉県、さいたま市、週刊まちづくり、まちしゅう、建築学会埼玉支所
コーディネーター:小泉 秀樹(東京大学大学院工学系研究科助教授)
参加団体:まちづくりに関わるNPO・研究室
日時:25日 14:00〜17:30
出席者:76名
―概要―
1、開会・挨拶
2、参加団体のプレゼンテーション
3、パネルディスカッション
3-1 学生活動が地域に及ぼす効果
3-2 活動を行う側の組織運営
3-3 活動を通じて個人が得たこと
学生主体で活動をしている団体や研究室をパネリストに向えました。学生が地域活動に参加することは、地域に貢献をすると同時に、学生側も机上では得られない経験を得ています。具体的な活動事例を通じてどのような貢献をし、どのような経験を得ているのか、どのような組織体制で活動を行っているかなどを話し合いました。
<学生まちづくり学会交流会>
企画・主催 :まちづくり市民活動を支援する学生NPO「場助っ人(ばすけっと)」
日時:25日 17:45〜
参加者:50名
―概要―
学生まちづくり学会2002に参加した多くの団体・個人が、更なる交流・意見交換・ネットワークづくりを目的として交流会に参加しました。
<アーチを組み立てる>
講師:手島 亙さん(埼玉住まいの会)
主催:埼玉住まいの会
日時:26日 10:00〜10:20
出席者:6名
―概要―
「接着剤を使わずに木でアーチをつくる」
力学を利用して、接着剤なしでアーチをつくりました。まず、色々な厚さの木のブロックを、半円形の型に合わせて積んでいき、最後に型を抜いて完成です。隙間なくブロックを積んでいくのがポイントで、1度目は失敗して崩れてしまいましたが、2度目は成功して見事なアーチが完成しました。完成したアーチに木のブロックを乗せて、強度の実験も行いました。天気が悪かったせいか、参加者は6人とやや少なかったですが、子供達は見事完成したアーチを前に喜んでいました。
記録者:石井・遠藤
<講演会『大人と子供の建築模型教室』>
講師:堤 和敏(芝浦工業大学)
主催:芝浦工業大学堤研究室
日時:26日 10:20〜11:30
出席者:6名(2家族;大人3名、子供3名)
―概要―
数十枚の三角形のダンボールを使って、手作りのドームを創る。
ドームの構造はシェル構造といい支柱を使わなくとも建物が建つ事を、ダンボールを使い実体験する事ができる。ドームの構造を理解する上で卵を使って優しく説明した。
堤研究室の学生を交え3グループに分かれて説明書を見ながらドームづくりを始め、ダンボールの接着にはクリップを使用した。約30分で完成する。完成後、ドームの強度を確認する上でランダムに三角形のダンボールを1枚ずつ抜いていく。2~3枚抜いたところでドームは崩れた。
―公演内容―
1.堤先生のドーム講座。
例、東京ドーム
2.堤先生の卵は簡単に割れるか?
〈卵を例にシェル構造の説明〉
卵を指で割ろうとしてもなかなか割れない。
実験では、卵を縦にした場合では割れなかったが、横にした場合では割れてしまった。
3.みんなでドーム造り。
4.ドーム完成記念撮影!
5.ドームの強度確認。
6.解体作業
記録:昌谷 杉浦
<子供のための建築探検隊>
講師:桑田 仁さん(芝浦工業大学)
協力:埼玉アリーナ(清水富治さん)、さいたま新都心バリアフリーまちづくりボランティアセンター 明治生命さいたま新都市ビルLAタワー管理事務所
日時:26日 13:30〜
ルート:明治生命ビル→ふれあいプラザ→けやき広場
出席者:約12名
―概要―
さいたま新都心内の建物や広場についての勉強会。実際に建物の中や広場に赴いて目で見て、手で触れ大人にも楽しむことのできる探検でした。
明治生命LAビル内の防災センターではビルのセキュリティシステムの説明を受け、35階では、ボイラー室の見学からの眺望を楽しんだ。
ふれあいプラザでは、さいたま新都心のトイレ・電話・触地図・点字ブロックなどのバリアフリー、またボランティアが行っている活動について説明を受けた。
ケヤキの数・排水の仕組・樹間の距離などの事前に配布していた問題の解答をけやき広場で発表した。
記録:野中
<内田祥哉先生講演「建築のつくられ方」>
講師:内田祥哉 先生
主催・企画:JIA
日時:26日 16:00〜18:00
出席者:約30名
―概要―
内田祥哉先生は長年建築界の第一線で活躍された方で、公演内容も、現代日本建築の総括とも言えるお話でした。なぜ外国の人が日本の建築を見たときに驚くのか、その特殊性はどのように育まれていったのか、を主題に第一部は進められました。第二部では、建築の、性能と価値はまったく違うものという観点から、現代の住宅産業での論点をわかり易く解説されました。
―公演内容―
1.現代日本建築の国際性と特殊性
a.多様な日本の木造建築
b.住宅の4つの生産方式
c.日本人の建築感を育んだ木造在来構法
d.欧米のアパートと違う日本の集合住宅
e.注目される戸建てプレハブ
f.国際的に特異な鉄筋コンクリート
g.外装の磁器タイル張り
h.和小屋のフレキシビリティ
i.桂離宮−日本建築の原型−
2.建築と性能−その価値と価格−
a.性能指定の必然性
b.建築とは何か
c.対立する機能
e.建築性能の難しさ、特殊性
f.お買い得は探せるか
g.お買い得の点はC
―感想―
日本人の建築精度に対する要求は世界でもトップレベルである、という内田先生のお話に強く魅かれました。特に、1−cで解説された、日本人の建築と空間意識の関係は刺激的です。日本建築好きなら垂涎ものの内容でした。
特に印象に残った言葉を一つ「外国人にとって、靴を脱ぐことはパンツを脱ぐに等しい」
記録:宇田川
<高齢者疑似体験会>
共催団体:(社)埼玉建築設計監理協会(社)埼玉建築士会(社)埼玉建築士事務所協会
埼玉県医療社会事業協会(社)埼玉県介護支援専門員協会(社)埼玉県介護福祉士会(社)埼玉県作業療法士会 高齢者住宅改修相談ネットワーク<幹事団体>
日時:27日 午前10:30〜午後4:00
出席者:約30名
―概要―
1)
シニアコース(約30分)・・・参加者はゴーグル・厚手軍手・おもり・耳栓などを
身に付け、介護者役の二人に付き添われながら館内を巡りました。
階段で2階へ→2階廊下→2階湯沸し室→2階便所→階段で1階へ→自動販売機→デスクワーク(お箸を使って小豆やおはじきをお皿に移す等)備品は手作りだったそうです。
2)車椅子コース(約10分)
外の階段とスロープを体験しました。普段は気付かないような緩やかな下り坂がとても急に感じたり、目線の高さが低いため、展示物を見るのに苦労したりと貴重な体験が出来ました。
記録:柴
<お父さんが伝える民家再生>
講師:戸張 公之介 氏(民家再生の心を語る) 根岸
俊雄 氏(民家再生の技を語る)
主催:日本建築学会埼玉支所 司会:伊藤庸一 日本工業大学教授
日時:27日 14:00〜17:00
出席者:約30名
―概要―
パネリスト2名が経験に基づき、「民家再生」について約3時間に渡り語られた講演会でした。前半は戸張氏が街並み・民家調査をさまざまな地域でやられたことからこれまでの中で代表的な事例を紹介し、調査から分かった“民家の魅力”を説明されました。後半は根岸氏が民家再生した建物の事例を詳細に説明し、その後古い建物を残していく上での重要項目を示した。
―公演内容―
1.民家再生の心を語る
@はじめに 〜街並みの紹介〜
A民家調査から分かった「民家の魅力」とは
B日本各地の「民家の魅力」についてスライド紹介
2.民家再生の技を語る
@民家再生した建物の事例紹介
・ 北本の家・・・蔵の移築
・ 越谷の家・・・一部の骨組みに以前の家の木を再利用
・ 松本教室・・・屋根及び梁・柱などの骨組みを再利用
・ 満る岡・・・・古い建物の一部をそのまま残した
3.質疑応答
・ 古い建物と法律の関係について
・ 建物(屋根)のデザインについて
・
断熱・暖房の問題について
記録:大橋
<ポスターセッション>
日時:27日 17:00〜17:30
出席者:約30名
1、日本大学宇杉研究室(同潤会)
2、都市基盤公団埼玉支社(地域材)
3、場助っ人(北鴻巣ガリバーマップ・
埼玉NPO8団体紹介パネル)
4、高齢者住宅ネット
5、上尾まちづくりの会
6、富士見市都市マスタープラン
7、木の家大好きの会
―概要―
住まいまちづくり2002交流展にむけて作成されたパネルの説明が行われました。
各団体の代表者が、日ごろの活動紹介と今回取り上げた話題についてパネルを見ながら参加者に説明を行いました。参加者からも質問が出て、交流が図られた。パネルの内容をから、議論が展開する場面もありました。
模型やレイアウトに工夫の見られるパネルは、見る人の目を引くものだった。
また、実際に拡大された地図の上に載って説明をする場面もあった。
<住宅改修パソコン診断>
日時:27日 12:00〜16:00
主催:埼玉建築設計監理協会
パソコンを利用して、住宅の耐震状況を
診断した。参加者は、自宅の間取りを入力
することによって、自宅が安全かどうかを
チェックすることができる。診断結果は、
印刷し持ち帰ることができた。
<『まち人の集い』(交流会)>
世話人:石田武さん(上尾まちづくりの会)、鈴木美登利さん(聖学院大学)、若林祥文さん(埼玉県)、海老原雄紀さん(場助っ人)
日時:27日 17:30〜
出席者:約70名
県内の住まいまちづくり団体の交流会
交流会は、埼玉県内の住まい・まちづくりに関わる人々の横のネットワークを広げることを目的として、交流展の期間中に開催されました。当日は約50名の参加があり盛況に開催されました。それぞれの活動を紹介しあい交流を深めることによって、県内の住まい・まちづくり活動への認識が深まったり、新たな出会いがあったりしました。
<埼玉都市づくりアカデミー>
主催:埼玉県、埼玉県住宅供給公社、都市基盤整備公団
共催による彩の国さいたま都市づくりアカデミーが行われました。
日時:28日 10:00〜16:00
出席者:約70名
―概要―
・シックハウス対策について
(社)埼玉建築士会 小林 八重子氏
・芸術とまちづくり
彫刻家 關 正司氏
・地域環境について
鹿島建設梶@柵頼 信夫氏
最終日には、各団体関係者により会場の片づけが行われました。