記録担当 木下 芳郎

計画設計情報小委員会勉強会(第2回)

 

日 時 2001年7月10日 火曜日 18:00〜

場 所 本会会議室

 

       講師: 柳澤芳夫氏(武蔵工業大学非常勤講師,シミズ情報資料センター)

 

武蔵工業大学において建築情報論を講義している。

講義のシラバス

1序論:用語解説,その他

2情報:一般的概念

3建築生産とドキュメンテーション

4建築生産の特性と情報:建築生産プロセス,建築生産チーム,品質保証,アカウンタビリティー

5建築と情報:情報管理

6建築と情報:情報管理の事例研究(見学)

7建築と情報:情報源,情報収集,保管・整理,活用

8まとめ

 

 

情報とは

  問題意識を持つ者にとって,その問題を解明する知らせが情報である。

  情報が安定するのは,媒体に記録された時である

  媒体に記録されていない情報に,重要なほしいものがある

 

建築生産プロセスにおける建築情報の特徴

        一品生産である

        コミュニケーションの比重の大きいこと

        図面による情報が多いこと

        各種情報の集中管理が困難であること

        情報が工事ごとに分散してしまうこと

        経験や勘による属人的な情報が多いこと

        工事失敗の記録が公開されにくいこと

        情報資料に対する厳格な態度に欠けていること

        相互のディスコミュニケーションが場合によっては利益に結びついていること

        工業化生産などの場合,流通システムと生産とは密接に結びついていること

建築生産のなかの資料の特徴

        次行程に正確に情報が伝わりにくい

        資料として互換性に欠ける

        総合的生産資料が欠如している

        生産コストに関する基礎資料が欠如している

        必要とする関連資料が多岐にわたること

        コミュニケーションの記録化がされにくいこと

        情報の作成者が利用者でもあるという認識に欠けること

        建築生産と記録保存

組織内の事例

ナレッジマネージャー:問題を解決型で判断でき,活用可能な情報量を決定できる専門職

情報の専門職に期待されること

        組織の事業に精通しライン支援ができること

        最新のニーズを把握していること

        ニーズを予測して適時的確に情報発信できること

        情報源を把握していること

建築と情報とのかかわりは,建築を,どこにどのように創るかということに関する情報の管理と活用である。

ポイント

        関心,好奇心を持続する

        「みる,感じる」体験は大切

        専門分野は,深ければ深いほどいい

        コミュニケーションが1番大切

        意識して自分なりの情報リテラシーを高める

        情報ツールとシステムは,使いこなせば最高に便利なもの

テーマにマッチした情報を取捨選択し,思惟を極め,真に正しく価値判断し,よい建築を生み出すことが目的