求道学舎リノベーション
(設計:近角建築設計事務所,集工舎建築都市デザイン研究所)

求道学舎は、浄土真宗の僧侶 近角常観が、明治35年に設立した学生寮で、今回見学したのは初代の木造のものを関東大震災後の大正15年にRC造に建て直したもの。
設計は京都大学建築学科の創設時の教授武田五一で、当時の最新の耐震設計法を用いて設計されている。
学生数の減少と建物の老朽化により平成11年に閉鎖され、再利用の道が探られていたが、この度、耐震補強と鉄筋コンリートの耐久力回復技術を投入して定期借地権型のコーポラテイブ住宅として再生された。
築80年の鉄筋コンクリート造の本格的再生である点、文化財級の建物を住宅として再生分譲したという点、中古・定借・コオポラテイブという3点セットを初めて総合的に事業化した点など様々な見所があるが、当委員会として最も興味深いのは、中古改修における本格的SI技術の投入というポイントであろう。
高階高を利用した水廻り可変、10軒の住宅の設計を一人の建築家が担い3回の設計相談で纏め上げるという高効率かつ柔軟なフリープラン設計などオープンビルディングからの視点が随所にちりばめられている。

写真1 求道学舎 玄関
写真2 求道学舎 南側の外観

基礎データ

施主:宗教法人 求道会,求道学舎リノベーション住宅建設組合
コーディネーターチーム:
 アークブレイン,近角建築設計事務所,集工舎建築都市デザイン研究所
設計:近角建築設計事務所,集工舎建築都市デザイン研究所
施工:戸田建設


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