松森 一行 君(兵庫県立兵庫工業高等学校)
この作品は「自然との共存」と「地域との交流」を目指し、「地域情報発信基地」となる中学校の計画である。敷地内にはビオト−プを取り入れた小川や雑木林を中心とした自然教室があり、隣接地にはキャンプ施設のあるアウトドアスク−ルが計画さている。また地域セミナ−ル−ムや図書館、ギャラリ−などが地域の人々にも利用しやすいように設けられ、中学生のためだけの中学校ではなく、地域の幅広い世代が利用し、交流する場となることが期待されている。複合的な施設であることが立面図にもよく表れている。図面は丁寧で、細かい所までデザインされている。ただ、テ−マである自然との共存は「ビオト−プの森」の設置にとどまっており、建物と自然の関わりという点ではあまり積極的ではない。自然との共存は21世紀の建築の大きな課題である。建物のデザインにとどまらず、外部空間と建物の関係にも目を向け、より豊かな場の創造に取り組まれるよう期待している。