Plug-in −多変都市−

中村 慎司 君(近畿大学)

 コンピュタ−ネットワ−ク等、情報化の進展に伴い、都市の実体が見えづらくなっている現在、レ−ルを使い移動できる鉄道に着目し、多様な都市機能をもった装置を出し入れすることにより、都市を構築しようというユニ−クな提案である。
鶴橋を対象とし地上12m、地下84mの巨大なボイド空間をつくり、その中にJR環状線からOUT,IN2本の鉄道線を2層螺旋上に、引き込む装置空間である。ホテル、ショップ、図書館、ギャラリ−等、都市の構成要素を持つコンテナを、途中3か所に設けられた折り返し線を利用して、入れ替えるダイヤグラムにより、巨大なボイド空間が24時間多種多様に変貌する。
現代都市を建築的操作ではなく、装置の移動で解決しようという発想を、ダイナミックな形に組み込む能力。その空間を、幻想的な模型写真等を用いて行ったプレゼンテ−ションは、未来的発想をうまく表現しており、高く評価された。