Study From Study Modern Study

笹本 賢吾 君(京都工芸繊維大学)

 ポストモダニズムの終焉が言われ次のテ−ゼが模索されている今、あえて旧に戻って初期のモダニズム建築の研究をテ−マに取り上げることは非常に意味のあることと思う。
図書館本館の計画をコルビジェの初期の設計手法である黄金比を駆使して行い、その幾何学的形態操作は卓抜で、特に立面デザインに顕著にそれが現れ、きわめて魅力ある作品となっている。
さらに、多様な形態の14の分館を計画し、それらをレゴブロックのように立体的に組み上げると、ピッタリと本館中庭のヴォリュウムに一致させるというコンセプトは、ヴォイドのもつ図と地の両義性を浮上させている。
プレゼンテ−ションはドロ−イングによる従来の手法であるが、出来栄えはカラ−リングも適切で、モンドリアンの絵を想起させるようであり、テ−マともマッチしていて彼のセンスのよさが十分うかがえる。