内田 芳子 君(大阪市立デザイン教育研究所)
神戸の灘の酒蔵を中心とした一種のテ−マパ−クの提案である。イメ−ジ豊なスケッチや図面をうまく配した力作であり、そのままテ−マパ−クのパンフレットになるとの声も上がったぐらい完成度は高かった。特に古い酒蔵を保存・再興するエリアと新しい建築のエリア等のゾ−ニングコンセプトがきっちり表現されて、それが建築計画にまで反映されているところが評価された。
ただ、表現の力点が、やや保存再興のエリアにかたよりすぎたきらいがあり、もう少し新しくデザインする建物にも力を込めてほしかったと思う。また、枚数の構成でも、同じような配置図や屋根伏図が何度もでてくる感じがしてやや冗長な印象があるのがおしいところである。もう少し枚数を減らした方がかえって迫力のある構成になったと思う。