妙寺小学校

斉藤 修 君(中央実務専門学校)

 

 高野山の麓のかつらぎ町に計画された小学校。極めて完成度の高い作品である。16枚の図面 には、現代の子どもを取りまく問題の認識からはじまり、土地と周辺環境の読みとり、「ある子供の一日」「ある農家の一日」として具体的に表現された、人々にとっての学校という場所の意味、そしてなによりも、教室を挟む気持ちよさそうなテラス・アルコーブ・のびやかなギャラリーという空間構成が、抜群のデザインと密度で的確にプレゼンテーションされている。冗談でなく大学の設計課題の模範図面 として使いたいくらいである。一つだけあえて(本当にあえて)いえば、空間構成の巧みさに比べて、個々の空間ヴォキャブラリー自体がやや常識的かもしれない。近年、大きさは従来並みで一面 オープンにした教室、アルコーブ、ギャラリー等が、小学校の新定番空間となりつつあるが、児童、教師、地域の人が、語りあい学ぶための場所について、もっと色々なデザインの可能性を追求して欲しい。

(鈴木)