White Hole

馬宮 彩子 君(奈良女子大学)

 

 

 現在の都市が物質から情報まであらゆるものを大量に消費する場であるのに対して、エネルギ−を吐き出し続ける場、すなわちブラックホ−ルの対称としてホワイトホ−ルを提案している。
 アメリカ村の核になっている三角公園の地下空間に、社会の枠から開放され、自己を表現する場を設定する。そこで繰り広げられるパフォ−マンスのエネルギ−はその場だけに留まらず、町中にあふれだす。
 作品は三角公園というロケ−ションを超えることができなかったのか、カオス的な空間に新たな場を認定することにより、単なる舞台に帰り、有形なるがゆえにエネルギ−を吐き出すのをやめて化石化するのをおそれ、あえて具象化するのをためらったのか。
  ディテ−ルにこだわらない大胆な表現のプレゼンテ−ションは不可思議な残像を持たせる魅力ある作品に仕立て上げるのに成功している。

(木谷)