木村 恭子 君
(明石工業高等専門学校専攻科)
神戸における外国人居住のための「新しい居留地」の提案である。
兵庫開港を契機として発展し、大震災からの復興途上にある神戸という街の中、旧居留地の西にあり、雑居地でもあった栄町通において、空地等と空きフロアを融合的に活用した「外国人居住者にさまざまな活動のための支援を行う新しい居留地」づくりを提案している。
この街の歴史を踏まえた上での、震災後の神戸をめぐる状況認識は明確であり、解決に向けての展開にも破綻がなく、なによりも、提案された空間が魅力的である。
既存の都市空間へのインフィルによるまちづくりをめざすにあたって、いくつかの外国における典型的な空間構成をモデルとすることによって、単調な空間を変えるだけでなく多様な空間感覚を取りこみ、都市が持つべき多様化を生み出し、活性化を促す提案となっている。(笹原)