コロキウム構造形態の解析と創生2012 - colloquium 2012 -

■ 開催主旨

デジタル・ファブリケーション、BIM、アルゴリズミック・デザイン、最適化などといった言葉のまわりで繰り広げられる近年の動きにデザインとコンストラクションの間の垣根が取り払われるのではないかとの期待を感じる人々も少なくないのではないだろうか。さらに三次元プリンターの出現は新たな産業革命をもたらす予感さえもただよわせている。構造デザインの分野においては、構造物の挙動を予測するための数値計算手法が既に花開き、数理計画法に基礎をおく多くの最適化手法や発見的手法が提案された十数年の以前に「構造形態創生」という魅力的な言葉のもと、現在の本コロキウムの魁となる「コロキウム構造形態の解析と創生」が開催され、この分野のその後の発展に大きな影響を与えた。そして今、パラメトリック・デザインの技術や情報システム技術とも相まって、更に多くの分野の人々を巻き込み、デザインに一種の変質をもたらし、まさに「咲く花の薫ふが如く今盛りなり」といったところである。本コロキウムは、建築に関連する構造最適化手法や構造形態創生、アルゴリズミック・デザインやデジタル・ファブリケーションなどに関する最新の研究や設計事例を持ち寄り、研究者と技術者が一堂に会してこれらを発表し議論し情報を交換することによって、そのような期待がただ流行におわることなく、さらに発展し確固とした技術として根付くことを願って天平文化を現前と伝える奈良の地で開催される。

<主催>
  構造委員会 シェル・空間構造運営委員会: シェル・空間構造形態創生小委員会
  構造委員会 応用力学運営委員会: 構造最適化の理論と応用小委員会
  情報システム技術委員会:  アルゴリズミック・デザイン小委員会

開催期日 2012年10月25日(木), 26日(金)
開催場所 国立大学法人 奈良女子大学記念館 講堂 (重要文化財)

コロキウムの内容

□ 会場と開会式

今回は、古都奈良の歴史ある建物「奈良女子大学記念館講堂」で開催されました。
開会式では、シェル・空間構造運営委員会主査の小河利行先生と奈良女子大学学長の野口誠之先生が挨拶されました。

□ 特別講演

特別講演は初日に行われ、川口衞先生と奈良女子大学名誉教授の上野邦一先生が講演されました。
講演題目は、川口先生が『先達が示した構造形態の発見手法』、上野先生が『奈良女子大学記念館の建物概要と修理工事』でした。
プログラム


□ 一般講演

一般講演は、2日目に行われ、27題の研究発表が行われました。
プログラム

優秀講演表彰

優秀講演選定委員会(委員長:岡田章)の厳正なる審査の結果、今年の優秀講演が下記の2講演に決定しました。発表者には表彰状が送られました。

  沖田裕介君(鹿児島大学)
   「優良解探索GAによるNURBSを用いた自由曲面グリッドシェル構造の解形態
    −階数設定値と優良解形状の関係」

  菊川翔平君(広島大学)
   「部分剛接骨組による形態変化機構の解析と設計法

□ 形態創生コンテスト

<コンテストの主旨> 
建築の空間や工芸品の形は作者が審美や思想を満たしながら、求められる機能や役割の実現を図るべきである事は言うまでもありません。「形態創生」は空間あるいは形に求められている課題あるいは意図を理解した上で、力学上、構法上、効果的にそれを実現する方法を志向し、それを科学的に定義することで、結果として設計者の想像力を越えた形態の可能性が創造されると考えています。
本コンテストは、独創的でありながら実現性も視野にいれた「形態創生」の考え方に基づいたアルゴリズムや、建築構法とその産み出す形態を総合的に競う事を目的にしています。過去6 回を経て本コンテストは、実体的に構造物を造る方法の合理性と、その構造物が実現する空間利用の合理性を融合した問題として捉えたレベルの高い催しとして注目されてきました。

<課題(テーマ) > 
課題は以下のテーマとしました。
「歴史ある地域の固有性に学び『再生する』かたちを創生する」
解説;本コンテストの開催地、古都奈良は世界遺産(文化遺産)として登録され、都市計画、寺社建築、彫刻のみならず工芸の分野において、日本がそれまで自ら培ってきたあるいは当時の先進国から摂取した思想、様式、技法そして技能を進化させた極めて優れた所産を集積している時空間です。その象徴である青銅の大仏さまは,顔も胴体も脚部もいろんな異なる歴史を見せて座っています。一方この歴史の中で、材料自体の劣化や兵火・疫病・事故や風水害・地震により、この地域の多くの遺産が喪失しました。しかし人々はそれらの試練を乗り越え、歴史都市である奈良も様々な困難に遭いながら可能な限り再生・復興の道をたどってきました。
本コンテストでは、歴史が培ってきた「再生する」知恵に学び、合理的で独創的に創生されたかたちの提案を求めます。

<審査員(敬称略、50音順)> 
 審査委員長 新谷眞人 (早稲田大学教授/オーク構造設計)
 審 査 員 坂口紀代美 (日本美術家連盟会員/彫刻家)
  本間俊雄 (鹿児島大学)
  松川昌平 (000studio)
 特別審査員 上野邦一 (奈良女子大学名誉教授)
 (特別講演講師) 川口 衞 (川口衞構造設計事務所/法政大学名誉教授)

<コンテストの経緯>
エントリー数は23件でした。このうち15作品の提出物を対象として審査委員会による一次審査を行いました。
一次審査の結果、5作品を入選作としました。また、佳作1作品も選考しました。
入選者は、「コロキウム構造形態の解析と創生2012」会場にて公開のプレゼンテーションを行い、その後、審査委員会による二次審査を行いました。二次審査の結果、優秀作品3点を決定し、他の入選作品や佳作作品を含め、同コロキウムの懇親会において、審査委員長より表彰状を授与しました。

 2012年4月20日 ;建築雑誌2012年4月号に応募要項掲載
 2012年6月15日 ;応募要項に関する質疑締め切り
 2012年7月27日 ;応募エントリー締め切り
 2012年8月31日 ;作品応募締め切り
 2012年9月5日 ;一次審査(日本建築学会会議室にて)
 2012年9月6日 ;一次審査結果の通知
 2012年10月25日 ;コロキウム構造形態の解析と創生2012にて二次審査および表彰


プレゼンテーション風景

<入選作品>
優秀作品;Slip Frustum
○佐藤慶太(日本設計),江面太基(同),大木崇人(同)

優秀作品;WARABOCCHI STRUCTURE
○奥井竜太(東京理科大学),廣瀬大祐(同),ジェレファタナス(同)
 後藤洋子(同),永井智裕(同),西村明洋(同)

優秀作品;故を温ずねて新しきを知る
○高橋清紀(東京電気大学),綾部将平(同)

入選作品;観性の建築
○本田 司(Geocreates)

入選作品;Jenga Automaton
○永田洸大(鹿児島大学),佐々木亜衣(同),冲田裕介(同),土持 拳(同)

佳作;AWA〜歴史と風景をつなぐかたち〜|
○寺井 亮(大林組)、南 尚孝(同)、斎藤元嗣(同)
 寺井 千絵(同)、馬場敏光(同)、助川知洋(同)

□ 懇親会とコンテスト授与式

1日目の講演会終了後、懇親会が行われました。懇親会では,コンテストの最優秀作品と優秀作品等の授与式が行われました。

懇親会の様子
優秀作品の賞状の授与
 
優秀作品の賞状の授与
優秀作品の賞状の授与


実施主担当者
  コロキウム実施責任者: 三井和男(日本大学)
  コンテスト担当: 立道郁生(明星大学),松尾智恵(川口衞構造設計事務所)
熊谷知彦(東京工業大学),池田靖史(慶応義塾大学)
酒井康史(日建設計)
  講演論文担当: 澤田樹一郎(鹿児島大学),山本憲司(鹿児島大学)
  広報担当: 本間俊雄(鹿児島大学)
  懇親会担当: 小野聡子(有明工業高等専門学校),永井拓生(滋賀県立大学)
瀧澤重志(京都大学),張 景耀(名古屋市立大学)
  会計担当:

陳 沛山(八戸工業大学),堤 和敏(芝浦工業大学)

  参加登録: ガン ブンダラ(日本大学)
  優秀講演担当: 高田豊文(滋賀県立大学)
  コロキウムHP担当: 藤井大地(近畿大学)
  優秀講演選定委員会
委員長:
岡田 章(日本大学)