2001年度第6回鋼構造運営委員会議事録
日時:2002年1月28日(木) 15:00-18:00
出席者: 小野、伊藤、岩田、大井、小河、小川、木村、桑村、作本、多賀、田川、多田、中島、長尾、松尾、緑川
提出資料:
06-01 2001年度第6回鋼構造運営委員会議事予定(小野)
06-02 2001年度第5回鋼構造運営委員会議事録案(大井)
06-03 予算執行状況(小野)
06-04 WTC崩壊特別調査委員会準備会議事録(大井)
06-05 鋼構造設計規準表紙と改版の序文(小野)
06-06 直営出版物発行実績・販売実績
06-07 愛読者カード(軽鋼構造設計指針・同解説)(小野)
06-08 構造本委員会議案(2001年度第4回) (小野)
06-09 鋼構造設計規準の見直しについて、次年度予算配分について、高力ボルト接合設計施工指針の著作権譲渡依頼について(小野)
06-10 鋼構造接合小委員会―活動報告(中島)
06-11 「鋼構造接合部設計指針」の発刊に伴う「高力ボルト設計施工指針」の取扱いに関するメモ(中島)
回覧資料 構造本委員会(12月13日)資料
審議事項
(1) 前回議事録(資料06-02)の確認
・ 電子メールにて各委員に配布済み議事録案を、一部修正した旨の報告(資料06-02の下線部分)があり、議事録を承認した。(大井幹事)。
(2) 構造本委員会(12月13日)の報告(資料06-08、小野主査)
・ 2002年度各委員会の予算(資料06-09)が決定した。
・ 2002年度大会で鋼構造関係のPD開催が認められた。
・ 鋼管トラス構造設計施工指針・同解説が出版の運びとなった。
・ 座屈小委員会関係のWG設置が承認された。
・ 2002年度大賞候補者に加藤勉先生が選出された。
(3) 小委員会報告
1) 鋼構造座屈小委員会(緑川委員)
・ 座屈性能設計WG(緑川主査)を1月28日に開催し、座屈の評価に関るデータベースの作成、性能設計に関る座屈の因子の抽出などについて議論を行い、今後の方向性を検討した。
2) 接合小委員会(資料06-10、中島主査)
・ 接合部設計指針講習会が終了した。参加者は750名、質問に対する回答を準備中であり後日学会ウェブ上で公開する。同指針の売れ行きは良く、2002年夏には重版の予定である。
・ 12月18日に小委員会を開催して、講習会の反省会、質問への回答作成分担、接合部指針充実項目の同定を議論した。
・ 2002年度以降の活動計画として、接合部設計指針改正点の同定、透明性の高い接合部設計を実現するための問題点の抽出、構造設計のグローバル化に適合しうる接合部設計のあり方の検討と仮称鋼構造接合部設計補追解説編の出版などを考えている。
・ 構造設計のグローバル化に適合しうる接合部設計のあり方の検討に対する定量的情報を詳細かつ速やかに獲得することを目的として外国関連規準評価検討WG設置(資料06-10)を接合小委員会で合意したので、鋼構造運営委員会で承認をお願いしたい。
上記外国関連規準評価検討WG設置については種々の議論の後、承認した。
3) 地球環境小委員会(岩田主査)
・ 1月25日に小委員会を開催し、次年度PDの内容について議論した。建築雑誌原稿を3月の次回鋼構造運営委員会までに提出する。また、PD用の資料(50ページ程度)についても検討した。2003年度に予定しているシンポジウムの内容についても議論し重複などを調整した。
4) 変形限界設計法小委員会(桑村主査)
・ 資料収集を継続している。現在までのところ、大地震時の層間変形角制限として『官庁施設の総合耐震計画基準』で設定されている1/100が色々なところで参考とされており、これは我国の耐震規準としてはそぐわないのではないかという旨の報告がなされた。次回は3月4日に開催する予定であるが、予算をオーバーする可能性があり他小委員会の予算協力をいただくよう主査間で個別に相談していただくこととした。
(4) 高力ボルト設計施工指針の取り扱いについて(資料06-09,11)
これまでの議論の継続であるが、新たに溶融亜鉛めっき高力ボルト技術協会より著作権譲渡の申し入れがあった。日本建築学会では著作権は譲渡できないが、出版権は譲渡できるとの見解であり、それを含めて議論し以下の意見が出された。
1) 接合部指針を査読した際、高力ボルト指針の廃刊を前提とした査読はしておらず、もう一度内容的に高力ボルト指針を十分包含しているかの検討をする必要がある。特に、接合部指針は保有耐力接合に力点を置いており、他の視点は弱いと感じている。設計のコンセプトにさかのぼってまでは議論していない。
2) 接合部指針には高力ボルト接合について最大耐力のみならず降伏耐力なども盛り込んでおり、高力ボルト指針の内容を十分含んでいる。(資料06-11)
3) 接合部指針やJASS6の抜粋としての内容には意味がある。
4) 違う内容のものを学会の指針として二つ存在するのは良くない。ダブルスタンダードとなってしまう。
5) 設計のコンセプトが違うのであれば、指針間で内容や設計結果が異なるのはありえることである。
6) 指針という名前でなく他協会で同一内容のものを出版するのは差し支えない。ただ、民間の機関にばらばらと委託すると言うのは良くない。例えば日本鋼構造協会などのようなところに委託するのが良いのではないか。
本日は結論を出さず、次回までに上記1),2)を中心に桑村委員、中島委員、小野主査で協議し整理したものを報告していただき、結論を得ることとした。
(5) 次年度予算について(資料06-09)
小野主査より鋼構造運営委員会の次年度予算配分額および各小委員会への予算配分案の説明がなされ、了承された。その際、民間委員への旅費の支払いを含めて予算配分の方針を明確にして欲しい旨の意見が出され、その方向で予算の申請、配分に望むことが確認された。
(6) 規準類のSI単位化について(資料06-05)
・ 小野主査より鋼構造設計規準改版時のまえがきが示され、意見があれば主査宛メールで送付することとした。また、SI単位版検討WG委員名(伊藤、木村、桑村、長尾、矢部)を記載することとした。
・ 田川委員より軽鋼構造設計指針のクロスチェックが終了したことおよび高力ボルトに関する以下の点が報告された。国土交通省の告示では高力ボルトの剪断耐力を応力度の単位で示しており、かつ数値のまるめが行われている。告示に合わせられるものは出来るだけ告示に合わすという原則に従い、告示で示された応力度から逆算して高力ボルト1本あたりの設計ボルト張力と標準ボルト張力を求めた値(従来の設計ボルト張力などを10倍した値とは異なる)を用いる。また、鋼構造限界状態設計指針でも同様に扱う必要がある。
(7) WTC崩壊に関するWGの設置について(資料06-04)
・ 大井幹事よりWTC崩壊特別調査委員会の活動について1)現在資料を収集中であること、2)崩壊過程・構造性能、耐火性能・材料施工、防災・避難・危機管理の3小委員会を立ち上げたこと、3)日米交流小委員会が発足したことなどが報告された。
・ 小野主査より同一学会内で同様の委員会を設置するのは適当でなく、当面WG設置は見合わせたい、WTC崩壊特別調査委員会の活動に何か欠落部分があれば鋼構造運営委員会でもWG設置を検討したい旨の意見が出され、了承された。
(8) 鋼構造設計規準の見直し(資料06-09)
・ 資料06-09に基づき、鋼構造設計規準の見直しのためのWG設置の趣旨が小野主査より説明され、WGの設置が承認された。
・ 活動内容としては1年間で修正項目の洗い出し、2年間で具体的な記述の修正を行うこととするが、基本的な方針についても必要に応じて検討し、適宜鋼構造運営委員会に報告して協議することとした。
・ WG主査を木村委員に決定し、WG委員として小野運営委員会主査、中島接合小委員会主査、桑村委員を当面決定した。その他の委員は木村WG主査と小野運営委員会主査とで協議して決定し、同規準改定に関った人、鋼構造運営委員会委員以外の人も対象とすることとした。
(9) 次回の開催予定
・ 2002年3月27日(水) 15:00-18:00
(記録:松尾)