2005年度第6回2006年度第2回 鋼構造運営委員会議事録
日時:2006年5月30日(火) 13:00-17:00
場所:★日本建築学会★6階 会議室
出席者(順不同、敬称略):中島、田川、井戸田、緑川、井戸田、小河、笠井、河野、桑村、大井、今野、吹田、多賀、永田、高松、多田、田中、深澤、金子
欠席者:緑川、内田、中込、松尾、大井、矢部
提出資料:
06-00 2005年度第6回鋼構造運営委員会議事予定(2006年5月30日)(中島)
06-01 2005年度第5回 鋼構造運営委員会議事録(案)(金子)
06-02 鋼構造運営委員会 2006年度大会梗概課題数一覧(中島)
06-03 鋼構造運営委員会資料(2006.5.30)(中島)
06-04 鋼構造座屈設計指針の改訂メモ(多田)
06-05 鋼構造耐火設計小委員会活動経過報告(今野)
06-06 鋼構造耐火設計小委員会 高温構造耐力WG委員追加のお伺い(今野)
06-07 鋼構造接合小委員会報告(吹田)
06-08 2006年度第1回鋼構造制震小委員会議事録(案)(笠井)
06-09 第1回鋼構造限界状態設計指針改定検討WG議事録(案)(井戸田)
06-10 2006年度第1回各種合成構造設計指針WG議事録(案)(河野)
06-11 塔状鋼構造設計指針・同解説の改訂について(深澤)
06-12 鋼構造設計規準-許容応力度法-について(2005年刊行),平野
審議事項
(1) 前回議事録の確認(資料06-01)
中島主査から前回議事録(案)について内容が説明され、承認された。
(2)2006年度大会構造部門(資料06-03)
中島主査から鉄骨構造分野の今年度大会発表件数と他分野との比較関係等、今年度大会に向けて説明があった。
(3)各小委員会・WG報告および次年度計画
1) 鋼構造座屈小委員会(資料06-04)
多田委員から今年度指針改定に対し、変更のための具体的資料の検討を進めるとの説明があった。
・ 改定の目標時期は3年後である。
・ 指針改定内容について本委員会の後半で重点審議する。
2) 鋼構造接合小委員会(資料06-07)
吹田委員から資料06-07に基づき説明があった。
・ (仮称)溶接接合ガイドブックの発刊に対してに対する前回の指摘を受けて各委員からの意見を求めた結果、鉄骨工事鉄連関連委員会と共同して作業を進めるすることを承認した。学会としては、設計者とや製作者を守備対象とすること、と先端性よりも普及を図ることにを配慮し、作成する方向で進めるする。
・ 既往の「柱梁接合部実験データベース」は、材料,形状等を目的に沿ってを最大限活用し整理していく作業する。
3) 鋼構造耐火設計小委員会(資料06-5,06-06)
今野委員から資料06-5,06-6に基づき説明があった。
・ 改定中の鋼構造耐火設計指針の講習会開催は2007年6月頃がを予定している。
・ 本小委員会の高温構造耐力WGに近藤史朗氏(清水建設)が委員として推薦され、承認された。
・ 鋼構造運営委員会における指針の査読者として金子委員と永田委員が指名された。
4) 鋼構造制振小委員会(資料06-8)
笠井委員から資料06-8についての説明があった。
・ 委員3名を公募で追加することが説明された。
・ ダンパー用鋼材について、例えば現行の指針をに適用して制振震の設計が可能なのか、可能ではないなら、それらと鋼構造制振震設計指針(仮称)との相違を明確にすることの要望が出された。
5) 鋼構造限界状態設計指針改定検討WG(資料06-9)
井戸田委員から資料05-12に基づき説明があった。
・ WGに3名の委員の追加案(○小野徹郎委員(名工大)、○高田毅士委員(東大)、○吹田啓一郎委員(京大))が提案され、承認された。
・ 改定に対する基本方針を示すこと、改定個所の精粗ははそれぞれ同レベルの改定内容にすることが要望された。確率統計に基づく内容の改定とする上ではデータ数にも留意する。
・ 本指針改定について、11月に開催される鋼構造運営委員会の重点審議事項とすることが確認された。
6) 鋼構造塑性設計指針改定検討WG(資料06-03)
高松委員から資料06-03に基づき改定方針の説明があった。
・ 次回改定WGにおいて改定の具体的内容・項目が議題となるが、鋼構造運営委員会としても次回委員会(7月予定)の重点審議事項とするしている。座屈を許容するブレースの塑性ヒンジの扱い,構造解析における他の指針との関わり等も審議される予定である事項とする。
7) 各種合成構造設計指針改定WG(資料06-10)
河野委員から資料06-10に基づき第1回WGの討議内容について説明があった。
・ 現指針にある4編すべて残す方向で、関連協会との連携を図る。
・ 2007年の最初に開催される鋼構造運営委員会の重点審議事項とすることが確認された。
(4)塔状構造物設計指針の改定案
深澤委員から指針改定に向けた要領について資料06-11により説明があった。
・ 送電用から通信用へと対象が拡広がっている。現状はそれに対応する設計者が指針を参考にしているので、委員になる人材の確保と見直し範囲の検討が今後の課題となる。
(5)座屈指針(改定)内容議論
今回の重点審議事項は「鋼構造座屈設計指針の改定」であり、以下に討議内容の概要を示す。
・ 解説的な記述とするところは他の指針と異なる。例えば、許容応力度設計や限界状態設計での扱い方の違いについて解説する。
・ 繰返しの効果、連成座屈問題(複合応力下の柱ウェブ等)、単体と骨組みの関係などを追加したい。柱材の新しい知見を取り入れ、梁材との章のバランスを図ることが望まれる。
・ 5章のタイトルとして「柱材」より「曲げ圧縮材」の方が良い。
・ 2章と5章で曲げねじれが扱われているが、内容は座屈理論と構造部材の変形能力で異なる。
・ 6章も古典的な座屈理論であり、内容を吟味して最適な章に移すことも考慮する。
・ 材料は鋼材のみとすると、ヤング率は205000N/mm2であり、6.6で陽に残した式を記述する必要があるか。10章のシェルも対象は鋼であり、理論的な部分と実用的な部分を配慮されたい。
・ 「3.4筋かい材の設計」で、接合部は圧縮耐力の記述が主となる。剛性と安定性も記述する。一方、引張耐力は接合部設計指針で扱うことになっており、具体化したところでの両指針の連携を図る必要がある。
・ 6章で初期不整を考慮した式が提案されるが、どこまで実用性を示すのか。
・ 11章では汎用解析プログラムを用いて解析する際の留意点が示されるが、初期不整(初期たわみ,残留応力)の扱いは実務に役立つので示せるとよい。
・ 執筆者が多数の場合、草案作成に時差が生じ、内容の完成度にばらつきをも生じる。必ず全ての草案を基に、偏らずに議論を進めていただきたい。
(6)その他
・ 「鋼構造設計規準-許容応力度法」についての質問と意見が寄せられた。内容について審議され、回答は田川委員に一任された。
・ 次回運営委員会は7月24日午後1時から開催する。
記録:金子 洋文