第10回(2006年度第5回)鋼構造運営委員会議事録
日時:2007年3月30日(金) 13:00−17:00
場所:★日本建築学会★304 会議室
出席者(順不同、敬称略):中島,田川,緑川,内田,笠井,河野,多賀,永田,高松,多田,田中,中込,深澤,松尾,寺田,金子
欠席者:井戸田,小河,桑村,今野,吹田,大井
提出資料:
10-00 2006年度第5回鋼構造運営委員会議事予定(2007年3月30日(中島)
10-01 第9回(2006年度第4回) 鋼構造運営委員会議事録(案)(金子)
10-02 構造関係規準・指針の将来検討WG報告書(緑川)
10-03 2007年度鋼構造運営委員会名簿案(中島)
10-04 2007年度予算配分(中島)
10-05 鋼構造座屈設計指針の改訂(多田)
10-06 鋼構造接合小委員会報告(吹田)
10-07 2006年度第5回鋼構造制振小委員会議事録(案)(笠井)
10-08 第5回鋼構造塑性設計指針改訂検討ワーキング議事録(案)(高松)
10-09 第3回鋼構造限界状態設計指針改訂検討WG(内田)
10-10 塔状鋼構造設計指針(深澤)
10-11 2007年度大会研究集会企画一覧(中島)
10-12 2006年度第4回各種合成構造設計指針WG議事録(案)(松尾)
10-13 各種合成構造設計指針・同解説の改定方針(田川)
審議事項
(1) 前回議事録の確認(資料10-01)
事前配布された議事録(案)に対する修正意見は特になく、承認された。
(2) 構造本委員会の報告(中島)
中島主査から論文賞、研究集会、デジタル化、耐震偽装問題等について報告された。耐震偽装については防災協会から3月に説明会があり、学会からもそれに対する意見を出す予定である。
緑川幹事から「構造関係規準・指針の将来像」(資料10-02)についてWGの成果内容の説明があった。現行学会設計規準と建築基準法との関連性等を考慮し、「構造設計規準の基本原則(案)」についてのコメントを5月20日までに中島主査に提出する。
(3) 2007年度鋼構造運営委員会委員(退任、新任他)(資料10-03)(中島)
中島主査から退任と新任の委員について説明があり、了承された。
(4) 2007年度予算(資料10-04)(中島)
中島主査から鋼構造運営委員会とその小委員会への予算配分の説明があった。原案通り承認された。
(5) 各小委員会・WG報告
1) 座屈小委員会(資料10-05)(多田)
多田委員会主査から資料10-05の座屈設計指針の目次に基づき改訂内容について説明された。2007年度執筆、2008年度校正とするスケジュールで遂行している。
設計ベースと理論ベースの分類を明確にする。一人の知見を盛り込む場合は、他の論文も参照する体裁をとる。8章は変形能力を取り扱わない。
2) 接合小委員会(資料10-06)(寺田)
寺田小委員会委員から資料10-06により委員会報告された。溶接設計施工ガイドブックは、入社2〜3年目の実務者向けの入門書である。
設計と施工を扱っており、競合する出版物はない。鋼構造運営委員会と材料施工委員会の合同委員会立ち上げは可能である。
溶接設計施工ガイドブックについて、次回の鋼構造運営委員会(5月29日)で重点審議事項とする。 (←その後吹田主査から、5月29日は難しい、8月委員会にして欲しいとの要望があった。)
3) 制振小委員会(資料10-07)(笠井)
笠井小委員会主査から資料10-07に基づいて委員会の経過が報告された。3つのWGが組織される。
研究成果にもよるが、ページ数の配分に配慮する。
4) 塑性設計指針改訂検討WG(資料10-08)(高松)
高松WG主査から資料10-08に基づき改訂の方針が報告された。7月から原稿の審議に入り、2008年度に鋼構造運営委員会と構造本委員会の査読を受ける計画である。
他の指針等と整合を図る。6F事務所の設計例ではパネル崩壊形となる例も一部取り入れる。
5) 限界状態設計指針改定検討WG(資料10-09)(内田)
内田WG委員から資料10-09について説明があった。
委員会活動期間は残り1年である。修正の多い個所の対応、付録への取り込み等配慮する。
6) 各種合成構造設計指針WG
重点審議で詳細を報告。
8) 塔状構造物設計指針改定に関わる議論(資料10-10)(深澤)
深澤委員から資料10-10により指針の改定方針が説明された。参考指針類の年代との整合性、SI単位への換算の妥当性などを配慮する。
小河委員とともに委員会を立ち上げ、8月頃までに原案を作成する。SI単位への換算は鋼構造限界状態設計指針・同解説(2002年)「はしがき」が参考となる。
(6) 2007年度PDに関する議論(資料10-11)
今年PD度担当の永田委員から、概要説明、パネラー、日程等が報告された。
記録係とまとめの人選が行われ、記録係は木村祥裕氏(長崎大学)、まとめは河野委員が推薦された。PD資料の部数は400部とすることが確認された。
(7) 各種合成構造指針改定内容に関わる議論(資料10-12、10-13)
松尾WG主査から資料10-12について説明された。原稿の完成は2008年9月を予定している。アンカーボルト設計指針改定WG(松崎主査)に毛井委員を追加することが承認された。
審議事項
第1編 合成ばり構造設計指針・同解説
大梁の有効幅は限界状態設計指針の式を用いる。弾性剛性、たわみが改定の基本であるが、耐力を示すことを改定の方針とする。
正曲げと負曲げに対して等価断面二次モーメントを用いることは現状通りであるが、解説に地震時において変動することを記述する。設計プログラムでは平均値を用いている。本来の反曲点位置のずれを考えるか。継手の設計にもかかわることであり、解説に留意点を示す。
スタッドコネクタは正曲げでは柱を押す表現となる。屋上のスタッドの設計は柱周囲のコンクリートを抜いた実験に相当する。2種類の設計式を示すことになれば合理的である。
スタッドはスプライス上には打たないようにするが、塑性域の柱際とか打設位置を節で記述できないか。現状の設計ではピッチのみが示されている。
第2編 デッキプレートとコンクリートとの合成スラブ構造設計指針・同解説
合成スラブ用デッキプレートを対象とする。試験で有効性を確認するものとし、試験方法と評価基準を示すことで、特徴を出す。
第3編 鉄骨骨組と鉄筋コンクリート耐力壁との合成構造設計指針・同解説
他の指針等では扱われていない。現在も実績がある。なお、今回は小改定とする。
第4編 各種アンカーボルト設計指針・同解説
支圧抵抗と付着抵抗は一般化により扱いにくくならないように分類を明確にする。改定となるが、SI単位系に変わる程度である。接着系アンカーは、促進を図るめに耐震改修のみに許可されている。露出柱脚の回転剛性は抜け出しの剛性が安定していれば評価できるが、WGで検討する。
免震装置のアンカーボルトは袋ナットが用いられているが、耐力評価があいまいである。鉄筋のコーン耐力向上効果も考慮するのか。木造戸建については法律で適用外であるが、注意点を示す。
(8) その他
・次回の重点審議事項は「溶接接合ガイドブック」とする。(←吹田主査からの要望によって、次々回に変更)
・鋼構造運営委員会の今後のスケジュール
5/29(火)建築学会会議室13:00〜17:00
8/1(水)建築学会会議室13:00〜17:00
8/28(火)福岡15:00〜、 17:00〜(+運営委員会OB+現小委員会委員)
記録:金子 洋文