17回(2008年度第2回)鋼構造運営委員会議事録

日時:2008728日() 13001700

場所:★日本建築学会★301 会議室

出席者(順不同、敬称略):中島,田川,緑川,井戸田,小河,笠井,河野,吹田多賀,高松,田上,多田,辻田平島,松尾,金子

欠席者:内田,桑村,田中,寺田,中込,永田,深澤

提出資料:

17-00 第17回(2008年度2回)鋼構造運営委員会議事予定(中島)

17-01 第16回(2008年度第1) 鋼構造運営委員会議事録(案)金子

17-02 鋼構造座屈小委員会 平成20年度活動状況(第1回委員会5/28)(多田)

17-03 鋼構造接合小委員会報告(吹田)

17-04 第7回鋼構造塑性設計指針改定小委員会議事録(案)(高松)

17-05 「塔状鋼構造設計指針・同解説」の刊行中止ならびに絶版について

    「鋼構造設計ガイドブック1:H形鋼を用いた中低層事務所」の絶版について(中島)

17-06 鋼構造運営委員会主査選挙規定(中島)

17-07 第1編合成ばり構造設計指針(田川)

17-08 第2編デッキプレート~第4編アンカーボルト(松尾)

17-09 第8回各種合成構造設計指針改定小委員会議事録(松尾)

17-10 建築学会大会前鋼構造運営委員会および懇親会について(寺田)

 

審議事項

1. 前回議事録の確認(資料17-01

事前配布された議事録(案)に対する修正意見は特になく、承認された。

 

2. 構造委員会の報告(中島)

構造本委員会は翌日開催のため、報告なし。

 

3. 各小委員会・WG報告

1) 座屈小委員会(資料17-02)(多田)

多田小委員会主査から(資料17-02)の活動状況が報告された。200911月の改定指針の講習会に向けて鋼構造運営委員会の査読(河野委員、寺田委員)が7月末~9月末、構造委員会の査読(松尾彰委員、山田聖志委員)が11月末~091月末、0910末刊行の計画となっている。

2) 接合小委員会(資料17-03)(吹田)

吹田小委員会主査より資料17-03に基づき小委員会報告があった。

溶接ガイドブックの第1稿を作成中で、8月中までに初稿を完成して校正に入る。また、9月号建築雑誌の講習会会告案の内容が紹介された。

接合部設計指針について改定の検討項目と分担が示された。方針を固めて年内に第1原稿を作成する。11月に刊行企画書を提出し、出版は2009年末を予定している。制振小委員会と関連する制振部材の接合や柱図心位置のボルトの扱いに対して質疑された。

3) 制振小委員会(笠井)

笠井小委員会主査から小委員会の活動状況の報告があった。指針各章の執筆内容はほぼ固まり、ダンパー設計に関しては執筆を始めている。ダンパー接合部については接合小委員会と連携していく。

4) 塑性設計指針改定小委員会(資料17-04)(高松)

高松小委員会主査より資料17-04に基づき小委員会における指針内容の審議事項の説明があり、前回の鋼構造運営委員会における集中審議の対応状況も示された。鋼構造運営委員会の査読への原稿は825日付けで郵送される。小委員会開催は7/21で終了したが、査読意見対応は個別行う予定である。10月末に査読を終了して構造本委員会への査読に移る。刊行企画書を11月に提出する。

5) 各種合成構造小委員会(資料17-09)(松尾)

松尾小委員会主査から資料17-09によりスケジュール関連の説明があった。9月末の小委員会にて最終原稿が提出される。鋼構造運営委員会の査読担当は田中委員・深澤委員である。指針内容については後半の集中審議にて説明された。

6) 限界状態設計指針改定小委員会(内田)

井戸田小委員会主査から活動状況が報告された。指針原稿が回覧され、各委員が内容を確認した。9月~10月に鋼構造運営委員会、11月~12月に構造委員会でそれぞれ査読、20094月に脱稿、同年9月に刊行する計画である。刊行企画書は提出済である。

 

4. 2008年度PDに関する議論

田上委員から、PD原稿は7月中に受領したこと、PD資料は前年同様にデジタルライブラリーに登録することの説明があった。なお、開催日は三日目(920日)の午前である。

 

5.重点審議:各種合成構造設計指針改定

資料17-0717-08の改定原稿案について審議が行われた。

主な討議事項

第1編 合成ばり構造設計指針(資料17-08)(田川)

・地震力時の面内せん断力に対して高強度コンクリートを使うことがあり得る。床に使用する高強度コンクリートについては本指針が準用できるコメントを入れる。

・デッキの波方向とH形鋼梁の材軸方向との関係については6.3節に示されている。

・スラブ有効幅に及ぼす柱面の影響は「限界状態設計指針」に記載されているが、5章の「耐力の算定」にて考慮したい。

・ヤング係数比を材料強度で与えたらどうかとの意見があったが、クリープ等を考え、現行の値15を採用する。

・耐力算定用の有効幅を盛り込むことが主たる変更点である。なお、スタッドコネクタの不均等配置のコメントを解説で追加する。また、RC強度の適用範囲でヤング係数がRC規準と対応しない点はコメントする。

・4章は内容から判断して「剛性」とした方がよいのではないか。

第4編 各種アンカーボルト設計指針・同解説(資料17-09)(松尾)

・現行の指針同様に露出柱脚は対象外とし、RC構造の耐震補強、設備機器取付け部、RC基礎が対象となる。なお、耐震補強については接着系アンカーの採用や終局耐力評価を可能としている。

・アンカーボルトの埋め込み長さが径の4倍から6倍に変更されることに対して、安全性に大きな支障がなければ従来通りとすることが望ましいとの意見があった。

・低減係数φの定義に関する質問については実験値を統計処理して求めたものではなく、安全側となるよう配慮して定めたものであるとの説明があった。

・コンクリート強度は基準法に従い48までとしている。

・後施工アンカーボルトについて、せん断力と引張力に対する優位性の有無や引張使用の個所、群効果の評価など質疑された。

・免震装置に用いられる袋ナット付きアンカーの設計について、本指針では解説にコメントを入れている。

・接着系アンカーは法的には耐震補強のみに認められているため、金属系アンカーを引き続き利用できるよう設計式を残こすことが要望された。

第2、第3編の重点審議は次回とする。

 

6. その他

9171500から行われる鋼構造運営委員会の後に開催する懇親会会場、出席状況等について確認された。

・中島主査から資料17-05の絶版届出書について説明があった。本書は初めての正式手続きとなる。鋼構造運営委員会として対象2件を絶版とすることが承認された。

・中島主査から資料17-06の新規に作成された鋼構造運営委員会主査選挙規定について説明があった。手続きは従来と変わらないが、正式な規程とした。事務局から各委員に投票用紙が送られ、所定日までに事務局へ返信する。集計は当委員会幹事立会いで行われる。結果については次回委員会にて報告される。

・今年度の重点審議課題とその予定日

917日:各種合成構造設計指針改定(第2,3編)

11月  :鋼構造接合部設計指針の改定

・これからの鋼構造運営委員会査読予定者一覧

*鋼構造座屈設計指針  :河野委員、寺田委員

*鋼構造接合部設計指針 :田川委員、辻田委員

*鋼構造塑性設計指針  :内田委員、田上委員

*鋼構造限界状態設計指針:緑川委員、中島委員

*各種合成構造設計指針 :田中委員、深澤委員

・次回の鋼構造運営委員会開催予定

917日(水)15001700 三井ガーデンホテル広島

記録:金子 洋文