19回(2008年度第4回)鋼構造運営委員会議事録

日時:2008121日() 13001700

場所:★日本建築学会★202 会議室

出席者(順不同、敬称略):中島,井戸田,吹田高松,多賀,田上,多田,中込,成原(辻田代理),永田松尾,深澤,金子

欠席者:田川,緑川,内田,小河,笠井,桑村,河野,田中,寺田,平島

提出資料:

19-00 第19回(2008年度4回)鋼構造運営委員会議事予定(中島)

19-01 第17回(2008年度第3) 鋼構造運営委員会議事録(案)金子

19-02 20081125日構造委員会報告

19-03 鋼構造座屈設計指針 刊行スケジュール(多田)

19-04 鋼構造接合小委員会報告(2008114日開催)(吹田)

19-05 鋼構造塑性設計指針改定原稿の査読結果に対する回答(高松)

19-06 第9回各種合成構造設計指針改定小委員会議事録(案)(松尾)

19-07 鋼構造限界状態設計指針改定小委員会(井戸田)

19-08 鋼構造限界状態設計指針・同解説(抜粋)(井戸田)

19-09 日本建築学会愛読者カード

19-10 2009年度 鋼構造PD提案(一覧)

 

審議事項

1. 前回議事録の確認(資料19-01

事前配布された議事録(案)に対する修正意見は特になく、承認された。

 

2. 構造委員会の報告(資料19-02)(中島)

中島主査より資料19-02に関する構造本委員会の報告があった。

鋼構造運営委員会の2008年大会PDについて報告があり、なた、次年度のPD開催日を3日目午前とすること、資料販売部数を400とすること等が討議された。

2009年度大会研究協議会「高機能社会に求められる建築構造と構造委員会が果たすべき役割」では鋼構造運営委員会主査がパネラーとして依頼された。

改定指針の構造委員会査読者が確定した。松尾彰委員,山田聖志委員(鋼構造座屈設計指針)、大森博司委員,福元敏之委員(鋼構造限界状態設計指針・同解説)、和田章委員,伊藤優委員(鋼構造塑性設計指針)。

指針改定の際の会員向けパブリックコメントが始まる。会員限定としてホームページの催し物公募欄に掲載する。構造委員会査読と並行して実施し、意見送付先は担当の先生宛となる。なお、本文の体裁を有する指針が対象となり、本文のみ掲載する。

 

3. 各小委員会・WG報告

1) 座屈小委員会(資料19-03)(多田)

多田小委員会主査から資料19-03に基づき刊行スケジュールおよび査読結果とその回答について説明があった。

査読者からはすでに回答に対する了承の返事を得ている。鋼構造の各種規準類との位置付けについて問われたことに対しては、1980年の刊行時の性格を引き継ぐとしている。鋼構造運営委員会の査読は承認され、終了した。12月初めに構造委員会の査読を開始するため、速やかに査読者の松尾彰先生と山田聖志先生に原稿を届けるが、予定通りスケジュールは進んでいる。

2) 接合小委員会(資料19-04)(吹田)

吹田小委員会主査より資料19-04に基づき小委員会報告があった。

溶接ガイドブックは東京・大阪会場で講習会が開催され、盛況であった。

接合部設計指針については改定の検討内容が示された。2009年度中に内容の検討と執筆を終了し、2010年度に刊行を目指すとしている。これより、次年度の小委員会体制は、田中剛委員が主査となり、接合部設計指針改定に関わる委員が継続される。

3) 制振小委員会

金子小委員会委員より小委員会の進捗状況が報告された。ダンパー設計WG、架構設計WG、解析WGの各WG2009年度から本格的に活動し、小委員会開催回数は減少する。

4) 塑性設計指針改定小委員会(資料19-05)(高松)

高松小委員会主査から小委員会は廃止することが説明された。

20091月に構造本委員会の査読となる。

5) 各種合成構造設計指針改定小委員会(資料19-06)(松尾)

松尾小委員会主査から資料19-06に基づき活動報告があった。小委員会は1年延長され、田川幹事に主査を交代する。改定原稿は121日時点で上がっている予定である。20091月下旬に鋼構造運営委員会の査読(田中委員、深澤委員)が始まる。

アンカー定着長の増加については、倒れが懸念されることとヨーロッパでも採用されているが、理由が明記されたら受け入れざるを得ない、耐力別の使い分けも考えられるとの意見があった。

6) 限界状態設計指針改定小委員会(資料19-07)(井戸田)

井戸田小委員会主査から刊行に向けてのスケジュールが説明された。鋼構造運営委員会の査読終了2月、構造本委員会の査読終了4月を予定している。

他の刊行物とのスケジュール調整、e-ラーニングなどについて議論された。

 

4. 2009年度PDに関する議論(資料19-10

資料19-10に示された永田案,中島案,寺田案の3つのPD案について、1案を選択するか複数案を統合するか議論された。

永田案:革新的構造材料を用いた新構造システム建築物

府省連携プロジェクトそのものであるとともに報告会が行われているので、PD用にアレンジすることが望まれる。

プロジェクト発表会との色分けが難しいかもしれない。

PD以外にも発表機会はある。しかし、一部の関係者に片寄っていると思われないような工夫が必要である。

超高力ボルトについては2008年に発表した。

中島案のなかでで紹介する方法もある。

中島案:鋼構造設計施工の高度化と合理化を促進するための「大型構造実験」の今とこれから

E−ディフェンスの成果は広く周知すべきである。

2008年度PDにも候補に上がったので、2009年度に期待したい。

他案と比較すると先にPDテーマとするのが望ましい。

寺田案:鋼構造のデザイン性と支える技術

デザインとエンジニアリングの話題は、ハード研究を重視する鋼構造PDとして取り扱いに注意する必要がある。

その他意見

順位付けが難しい。

3案とも有力なので、来年、再来年以降に分けて実施する方向で考えた方がよい。無理して合体することはない。

鋼構造運営委員会は2009年度PDとして永田案を採用する。ただし、府省連携プロジェクトを50%程度にとどめ、特定プロジェクトに片寄らないよう工夫する。詳細については永田委員を中心に詰めることとする。

 

5.重点審議:

@限界状態設計指針(資料19-08)(井戸田)

資料19-08の改定原稿案について審議が行われた。

主な討議事項

・変更箇所を識別する提案については序文における改定内容の説明で対応したい。

SS400は、それより若干優れているSN400Aが溶接を行わない鋼材であるので、溶接構造用鋼材として認めないこととしている。なお、実体と合わないとの意見もある。また、表1.2SS400Cが入っているのでSS400を入れてもよいのではないか。例えば表1.3からSS400を削除して成分の点から解説してもよいのでは、との意見もあった。これについては小委員会で検討する。

Y材は建築に使用しない。

BCP325Tを扱うのであれば解説にコメントをするようにとの意見があった。

・表1.5は手棒のみの表示となっているので修正する。

・建築物の塑性変形能力による低減係数と構造区分の整合を図る。

・現場溶接等、16の異なる条件に対して接合部係数が規定されている。

・3章,4章は柱脚を充実させたが、耐力係数は接合部計指針と同じである。

・居住指針に関するデータは古いのではとの意見が合った。

・5章は溶接接合設計施工ガイドブックと整合させている。

1990年度版をトレースした資料2の構造用鋼材の統計資料について、単位の修正、SN材の扱い等について討議された。

その他意見があれば今年中に井戸田主査に連絡する。

A塑性設計指針(資料19-05)(高松)

資料19-05の査読回答書に基づき審議が行われた。

主な討議事項

・本改訂では、フロアモーメント分配法のみを示し、節点振り分け法は表記しないこととしている。節点振り分け法の記述を削除した個所を含む資料は内田査読委員に送る。

SM570は溶接を使用する部分に用いることができるので、該当個所をチェックする。

・現行の指針に対して改定版も指針とするが、今後規準化することについて討議された。

・学会の本指針では「保有水平耐力」を「崩壊荷重」に統一し、1.8節「保有水平耐力検証法」は削除した。改定の序にも反映した。

さらに、回答に対する査読委員からのコメントを受けて、次のステップへ移行する。

 

6. その他

・次期主査は緑川委員に決定しているが、幹事も西山氏(国交省)、多田委員、寺田委員に決定した。現委員は留任し、退任を希望する場合は後任を指名する。新委員を提案するときは主査、幹事に1231日までに連絡する。

・現在およびこれからの鋼構造運営委員会査読者一覧

*鋼構造接合部設計指針 :田川委員、辻田委員

*鋼構造限界状態設計指針:緑川委員、中島委員

*各種合成構造設計指針 :田中委員、深澤委員

・刊行物の発行予定

200911月 座屈設計指針,限界状態設計指針

20101月 塑性設計指針(延期あり)

20104月 各種合成構造設計指針

20108月 接合部設計指針

・今後の鋼構造運営委員会開催予定

2009327日(金) 建築学会会議室 13001700

    重点審議:接合部設計指針

記録:金子 洋文