2009年度第2回 鋼構造運営委員会議事録
日 時:2009年7月27日(月) 13:00−17:00
場 所: 日本建築学会 301会議室
出席者(敬称略):緑川主査、内田、小河、越智、笠井、金子、河野、高松、田上、田川、竹内、
多田、成原、西山、平島、藤澤、伏見、寺田
欠席者:井戸田、桑村、吹田、多賀、田中、中込、中島、深澤
資 料:
02-01 2009年度第2回鋼構造運営委員会議事予定
02-02 2009年度第1回鋼構造運営委員会議事録(案) (寺田)
02-03 2009年度 第1回構造本委員会議案 (緑川)
02-04 「鋼構造座屈設計指針」改定講習会 会報 (多田)
02-05 鋼構造接合小委員会(6月2日開催)議事録(案) (田中)
02-06 各種合成構造設計指針改定小委員会報告 (田川)
02-07 2009年度大会PD(プログラム) (寺田)
02-08 2009年度大会PD資料(抜粋) (寺田)
02-09 WG設置申請書 (緑川)
02-10 「鋼構造塑性設計指針」改定講習会 会報案 (高松)
02-11 鋼構造限界状態設計指針改定小委員会資料 (井戸田)
審議事項
1.前回議事録の確認(資料02-02、寺田)
・事前配布された議事録(案)に対する修正意見は特になく、承認された。
2. 構造本委員会報告(資料02-03、緑川)
・資料に基づき、構造本委員会の議事が報告された。
・補足として下記の説明がなされた。
@鋼構造運営委員会の委員の変更について7月17日の構造本委員会において承認された。
A鋼構造制振小委員会の3つのWG(ダンパーWG、架構設計WG、解析WG)の設置も承認された。ただし、英文名については見直し依頼があった。修正した英文名は、笠井小委員会主査から学会の事務局へ連絡のこと。
B大会期間中に構造本委員会を開催し、各運営委員会間の情報交換をする予定。
3.各小委員会報告
資料に基づき各小委員会の活動が報告、審議された。
1) 接合小委員会(資料02-05、寺田)
・接合小委員会の現在の主な活動は、鋼構造接合部設計指針第3版に向けた改定である。
・現在改定作業中の鋼構造接合部設計指針と2年後を目処に出版予定の鋼構造制振構造設計指針では、ブレースに接続されるガセットの設計の考え方が整合していない点もあり、今後、両小委員会で引き続き検討することとなった。
2) 耐火小委員会準備会(平島)
・2010年度の耐火小委員会立ち上げに向けた準備会を9月11日に開催予定。
3) 塑性設計指針改定小委員会(資料02-10、高松)
・構造本委員会の査読対応結果は7月17日の構造本委員会で承認され、現在出版作業に入っている。
・2010年2月に東京(9日)、大阪(10日)、広島(20日)での講習会開催が決定している。
・塑性設計指針改定小委員会は2009年3月で終了した。
・2010年度1年間の準備期間を経て2011年度から塑性設計小委員会として活動を開始したい。
4) 限界状態設計指針改定小委員会(資料02-11、内田)
・建築学会ホームページでのパブコメも終了した。
・7月末に構造本委員会の査読が終了する予定である。
・その後出版作業に入り、2010年2月23日に東京で講習会を開催する。
5) 座屈小委員会(資料02-04、多田、竹内)
・現在、11月講習会、出版に向け校正作業中。
・その後、竹内新体制のもと座屈に関する新たな知見を検討し「鋼構造物の座屈に関する諸問題」として2012年を目処に出版する予定。
6) 各種合成構造改定小委員会(資料02-06、田川)
・改定原稿第1〜第4編について、現在鋼構造運営委員会査読中である。
・8月末には鋼構造運営委員会査読が終了する予定である。
・本来ならば、鋼構造運営委員会査読およびその対応について9月25日の次回鋼構造運営委員会での承認を経てから構造本委員会の査読を受けることになるが、今回は9月25日の運営委員会の承認前に構造本委員会査読に出すこととする(9月25日の鋼構造運営委員会では事後承認になる)。
・改定指針の出版/講習会は2010年度予定。
7.重点審議:鋼構造制振設計指針(資料01-13、笠井)
前回に引き続き資料に基づき審議が行われた。主な説明/審議事項は下記の通り。
・指針は、本文−解説の形式となる。
・3章「軸降伏型ダンパーの力学特性と設計法」では、各社によって商品化されたダンパーを扱うこととしている。これに対し4章「せん断降伏型ダンパーの力学特性と設計法」では、せん断降伏型ダンパーが商品化されていないこともあり、一般的な記述となる。
・4章のせん断降伏型ダンパーの終局限界として「せん断座屈」を設定した。これは、指針ではダンパーは安定した状態でエネルギーを吸収することを要求しているためである。
・指針のはじめの方針は、ダンパーの保有性能の記述に重点をおくことであった。7章「鋼材ダンパーの解析モデル化手法」や8章「制振鋼構造の簡易解析モデル化手法」を本文中で書くと、モデル化を強制することになる。本文中には「適切に履歴を表現できるモデルを使う」程度の記述になる。
・7章、8章では、性能評価における注意点を記述する。
・通常のブレースと制振ブレース(ダンパー)の違いを明確に示す。
・3章のブレースが取り付くガセットの設計に関しては、接合部設計指針との整合について接合小委員会と検討する。
・3章のタイトルは、軸降伏型ダンパーとしているが、軸方向力に対してブレースの中のパネルがせん断降伏するブレースも商品化されており、これも軸降伏型ブレースに分類されてしまう。言葉、定義について検討する。
・ダンパー用鋼材の統計データは少ないが、接合部係数は必要以上に大きくしない。接合部係数が大きい場合、非現実的な設計になってしまう可能性がある。
・鋼材ダンパーの疲労強度には形状の影響が大きい。指針で示す疲労データは「一例」とし、実際の設計ではメーカーから取り寄せる必要がある旨を記述する。
・読者がダンパーを選択する場合、ダンパーに関連する特許に対する注意も必要である。
・その他、気づいた点などあれば、笠井主査へ直接連絡する。
・指針は、2年後の発行を目指している。
・上記を踏まえ、制振小委員会において指針作成作業をすすめる。半年後くらいを目処に再度重点審議とする。
8.小委員会およびWGの今後について
1) 新規WG設置申請(資料02-09緑川)
・2010年度からの「鋼構造環境小委員会」の立ち上げにむけ、「環境負荷低減のための鋼構造ガイドライン検討WG」の設置を申請し、構造本委員会にて承認された。
・活動期間は2009年9月〜2010年3月、主査:藤田正則先生(山口大学)、幹事:緑川光正鋼構造運営委員会主査、委員:岩田衛先生(神奈川大学)、長尾直治先生(神戸大学)、木村衛氏(エイ構造研)の体制であり、2010年度以降の小委員会の活動内容やメンバーについて検討する。
2) 小委員会の終了と新規設置(緑川)
・各種合成構造指針改定小委員会と限界状態設計指針改定小委員会が今年度で終了する。
・来年度から、鋼構造環境小委員会と鋼構造材料小委員会の立ち上げを考えている。
・鋼構造環境小委員会については、準備のためのWGが立ち上がった。
・材料小委員会については、かつての素材小委員会の主査の中込委員と相談し9月の運営委員会において審議する。
9.その他依頼(緑川)
・2010年度の各小委員会の活動計画を緑川主査へ提出して下さい。10月16日まで。
・2010年度大会のOS、PS、発表部門細分類、再々分類の変更などの意見があれば、次回鋼構造運営委員会において提出して下さい。
・2010年度大会PD企画案も次回運営委員会で議論したいので、準備をお願いします。
■次回の鋼構造運営委員会開催予定
第3回 2009年9月25日(金) 14:00〜17:00
記録:寺田
<参考>
関連の規準指針類の最新版出版年月と改定予定
書名 最新 今後
・鋼構造塑性設計指針 1975年11月 改定:2010年2月
・塔状鋼構造設計指針・同解説 1980年9月 廃刊
・各種合成構造設計指針・同解説 1985年2月 改定:2010年(予)
・鋼構造座屈設計指針 1996年1月 改定:2009年11月
・鋼構造建築物における構造設計の考え方と枠組 1999年9月
・鋼構造の座屈に関する諸問題2001 2001年11月 改定:2012年(予)
・鋼構造限界状態設計 設計例 2002年1月
・SI単位版 鋼構造限界状態設計指針・同解説 2002年9月 改定:2010年2月
・SI単位版 軽鋼構造設計施工指針・同解説 2002年9月
・鋼管トラス構造設計施工指針・同解説 2002年12月
・高力ボルト接合設計施工ガイドブック 2003年12月
・鋼構造設計規準 ―許容応力度設計法― 第4版 2005年9月
・鋼構造接合部設計指針 第2版 2006年3月 改定:2011年(予)
・溶接接合設計施工ガイドブック 2008年11月
・鋼構造耐火設計指針 2008年3月
・鋼構造制振設計指針 出版:2011年(予)