2009年度第4回 鋼構造運営委員会議事録

 

 20091130日() 14001700

場 所 日本建築学会 301会議室

出席者(敬称略):   緑川主査、小河、越智、金子、多賀、高松、田上、竹内、多田、中込、

成原、西山、藤澤、藤田、寺田

欠席者                   井戸田、内田、笠井、河野、桑村、吹田、田川、田中、中島、平島、

                                 深澤、伏見

04-01 2009年度第4回鋼構造運営委員会議事予定                                                        (緑川)

04-02 2009年度第3回鋼構造運営委員会議事録(案)                                                 (寺田

04-03 2009年度 第3回構造本委員会議案                                                                  (緑川)

04-04 鋼構造接合小委員会報告                                                                                   (田中)

04-05 企画書:「各種合成構造設計指針」改定講習会                                                    (田川)

04-06 2010年度大会PD                                                                                           (多田)

04-07 読者からの質問および回答(軽鋼構造設計施工指針・鋼構造設計規準)            (多田)

04-08 「鋼構造塑性設計指針」改定講習会                                                                    (高松)

 

審議事項

1.前回議事録の確認(資料04-02、寺田)

・事前配布された議事録(案)に対する修正意見はなく、承認された。

 

2. 構造本委員会報告(資料04-03、緑川)

・資料に基づき、構造本委員会の議事内容が報告された。2010年度予算については下記の通り。

2010年度の研究委員会予算が配分され、鋼構造運営委員会予算は338万円(前年度+3万円)となった。この予算は、構造全体の16.2%に相当する。

・鋼構造運営委員会傘下の各小委員会への配分は、次回鋼構造運営委員会にて検討する。

 

3.各小委員会報告

資料に基づき各小委員会の活動が報告、審議された。

1)座屈小委員会(竹内)

114日に東京で、1116日に大阪で指針改定講習会を実施し、東京で228名、大阪で152名、計380名の定員一杯の参加者を得て盛況となった。学生への参加を促すなど、ご協力いただいた先生方に感謝したい。

・引き続き、指針改定で積み残したテーマについてまとめていきたい。現在7テーマほど上がっているが、横座屈を伴う梁や曲げ座屈を伴うブレースの繰り返し変形性能、梁の横補剛条件、板要素の幅厚比の再整理、PΔ効果を含む骨組の座屈長の再評価などを候補としている。次回は121日開催予定。

2)接合小委員会(資料04-04、寺田)

2011年度前半の鋼構造接合部指針第3版にむけ改定原稿執筆中。

・接合部設計指針と制振設計指針では、ブレース接合部の接合部係数など共通する内容がある。このような記述が共通する部分については、設計の考え方や記述内容の整合を両指針で図ること。

3) 鋼構造制振小委員会(金子)

2年後の「鋼構造制振設計指針」出版に向けてWG活動を実施し原稿作成中である。

・座屈拘束ブレースの接合部係数は鋼構造接合部設計指針に倣うとかなり大きな値となる。しかし、一般の建物に比べ制振構造は層間変形角が小さくおさえられて塑性化後の耐力上昇が大きくないのでそれほど大きな接合部係数を設定する必要性が少ないと言った考えもある。

・今後、設計の考え方を整理し、接合小委員会とも整合を図りながら原稿を作成していく。

4)塑性設計指針改定小委員会(資料04-08、高松)

・改定版講習会は20102月に東京(9日)、大阪(10日)、広島(20日)に開催する。

・指針改定のあと、2010年に準備会を立ち上げその後「塑性設計小委員会」を設立する予定にしている。

5) 各種合成構造改定小委員会(資料04-05

・指針改定原稿に対する構造本委員会の査読は12月に終了する予定である。

・改定版の出版および講習会は201010月頃を予定している。

6)鋼構造限界状態設計指針改定小委員会

20102月の改定版の出版および講習会にむけ準備中。

・講習会は223日、東京で開催される。

7)環境負荷低減のための鋼構造ガイドライン検討WG(藤田)

・本年9月以降、WG2回開催し、既往の鋼構造の環境に関するデータの確認、今後の活動方向を検討している。

・本WGの活動を基に2010年度から「鋼構造環境小委員会」を立ちあげる予定である。

8)鋼構造素材小委員会(2010年度発足予定、中込)

・新たに発足する小委員会の主査に山田丈富先生(千葉工業大学)を予定している。

・小委員会委員は15名程度を予定し、公募もしていきたい。

・前回の鋼構造運営委員会での議論なども参考にし、活動内容を検討していく。

 

4.2010年度大会PDについて(資料04-06

2010年度大会鋼構造PD構成案が提出された。ただし、司会者や各パネリストについては、未承諾の方も含まれている。

・多田委員をPD主担当として、実施に向け準備を進めることとする。

・費用対効果などで大型実験に対して否定的な見方もあるが、大会PDでは「大型振動実験だからこそできること、明らかになったこと」などをアピールし、必然性、優位性などを論ずる前向きな内容としたい。

 

5.鋼構造運営委員会関連規準/指針に対する読者からの質問と回答(資料04-07、多田)

・小委員会活動へ反映させるために、読者からの質問は運営委員会において報告することとなっている。

・本件は既に対応済みである。この他、現在接合小委員会が2件対応中であり、これらの内容は次回報告する。

 

6.重点審議(環境負荷低減のための鋼構造ガイドライン検討WG:藤田)

WGの検討内容紹介と委員による議論がなされた。主な点は、下記の通り。

CO2の国内年間排出量のうち、建築関連は約1/3(約4億トン)である。さらにその1/3が建設工事関連(建設・補修)である。

・建物の長寿命化や部材のリユース、リサイクル、部材、材料の省資源化(リデュース)などと鋼構造を関連づけ、「ガイドライン」をまとめていきたい。

・鋼材の生産は、日本のCO2の国内排出量の約15%を占めている。ただし、電炉材は高炉材に比べ製造時のCO2排出量が約1/2であり、鋼材を高炉材から電炉材に転換することでかなりのCO2の削減になる。2010年度からの鋼構造素材小委員会では、電炉材や高炉材に絡め環境的な内容も検討していきたいと考えている(中込)。

・他の材料に比べ、鋼材は生産時のCO2排出量が多いといった課題を抱えている。ガイドライン検討WGでは、このような鋼材特有の課題についても検討していきたい。

・鋼構造の環境性を高めるための課題や技術開発要素などを明らかにし、鋼構造が環境の面でも希望が持てるストーリーを構築して頂きたいと考えている(緑川)。

 

7.その他

1)小委員会活動報告の提出<依頼>

 ・小委員会の活動報告の締め切りが2010215日である。学会事務局から小委員会主査に提出の依頼がされるので、対応してください。

 

次回の鋼構造運営委員会開催予定

5       2010329日(月)   14:0017:00

記録:寺田