2002年度第3回鋼構造運営委員会議事録

日時:20021126() 16:0018:30

出席者:岩田、上谷、大井、小川、小河、小野、木村、桑村、作本、田川、松尾、緑川

 

提出資料

10-01 2002年度第3回鋼構造運営委員会議事予定(小野)

10-02 2002年度第回鋼構造運営委員会議事録案(松尾)

10-03 2002年度 臨時鋼構造運営委員会議事録案(大井)

10-04 鋼構造座屈小委員会活動報告(上谷)

10-05 鋼構造接合小委員会−進捗状況報告(中島)

10-06       S規準見直し方針(木村)

10-07       鋼構造本会議案(2002年度第3回)(小野)

10-08       エネルギー法に対する日本建築学会各委員会からのご意見、ご質問と対応方針(小野)

10-09       鋼構造運営委員会2002年度活動成果報告と2003年度事業計画案と予算案(小野)

10-10       鋼構造運営委員会2002年度予算の使用状況(小野)

10-11       2003年度大会構造部門PDの提案:鋼構造運営委員会鋼構造変形限界設計小委員会(桑村)

10-12       2003年度大会構造部門PDの提案:構造委員会・耐震性能評価法検討WG(緑川)

10-13       平成14年度第3回鋼構造変形限界設計小委員会議事録案(桑村)

その他の資料:講習会案内「鋼管トラス構造設計施工指針」、鋼構造関係指針類における語句の訂正集

 

審議事項

(1)   前回議事録(資料10-0210-03)の確認

・第2回議事録案(資料10-02)および臨時鋼構造運営委員会議事録案(資料10-03)を承認した。

 

(2)   鋼管トラス構造設計施工指針講習会参加者勧誘の依頼(事務局)

・鋼管トラス構造設計施工指針講習会(東京、大阪開催)の参加者予定者が少なく、このままでいくと中止となる可能性もあり、各委員へ参加者勧誘の依頼がなされた。

・これまでの「鋼管構造設計施工指針・同解説」は廃刊とすることが再確認された。

 

(3)   構造本委員会報告(1024日開催、小野主査

     2003年日本建築学会「優秀卒業論文賞」および「優秀修士論文賞」選考委員として、東北大学井上先生、京都大学林先生が構造系から推薦された。

     2003年度日本建築学会大賞候補者として青山先生を推薦することに決定した。

     2003年度日本建築学会文化賞候補者として日米共同研究のリュウ氏(NSF)の推薦を決定した。

     2003年度大会関係スケジュール

 応募要領:建築雑誌1月号に掲載

原稿締切り:紙面投稿414日、電子投稿420

研究集会など原稿締切り:4月中旬

プログラム編成会議:59

大会:95,6,7

     2003年度予算配分方法

構造委員会関係は約5%減少の見込みであるが、鋼構造関係は出版物が多いので来年度は昨年度よりその配分割合が増加する見込みである。

     構造委員長の選挙に際し、選挙内規が一部修正される予定である。

(4)   小委員会報告

1)      鋼構造座屈小委員会(資料10-04上谷主査)

     小委員会を930日に開催した。主な内容は二つのWGの報告が主であり、その詳細は資料10-04議事録に示す通りである。

     鋼構造座屈性能設計WG930日開催)では座屈性能評価式データベースと座屈部材性能評価式・塑性変形データベースのとりまとめのための作業を継続中である。

     骨組座屈の統合的評価法WG1118日開催)では骨組あるいは部材の不安定現象について適切に評価しなければならない事象を整理している。

などの報告がなされた。

2)      鋼構造接合小委員会(資料10-05小川委員)

     23回接合小委員会(919日、1120日開催)においては、資料10-05に示す内容(接合部指針計算例の再検討、柱はり接合部および柱脚部の接合部係数、SN材などの材料特性のばらつき、水平ハンチによる端部補強型接合法、高力ボルト接合設計施工ガイドブックその他)について検討した。

     2002年度第2回外国関連規準等評価検討WG1018日開催)においてテキサス大学M.D.Engelhardt教授を交えて主としてFEMA350,FEMA273について議論した。(詳細は資料10-05参照)

     今後の予定として接合小委員会は1月および3月に開催し、円形鋼管柱の接合部耐力評価法、外ダイアフラム形式接合部の耐力評価法、接合部係数の再吟味、柱脚例題の充実、脆性破断とその防止などを検討するとともに、高力ボルト接合設計施工ガイドブックの原案作成を完了する予定である。

     外国関連規準等評価検討WGでは年度内に2回開催する予定であり、一度は接合小委員会との合同としこれまでの活動成果を報告する予定である。また、3月末に開催予定のWGでは米国スタンフォード大学A.C.Cornell教授を招き、接合部の要求塑性変形能力や保有塑性変形能力およびこれらのばらつきの考え方について議論する予定である。この、A.C.Cornell教授との会合は信頼性関係の研究者とも連携をとりながら開催したいとの意向である。

3)      鋼構造規準改定WG(資料10-06、木村主査)

     3WG927日に開催した。その検討内容および今後のスケジュールが資料10-06に従って説明された。

これに対して、S規準の今後の方向性を検討する資料として、20035月に予定されている第5WG(修正S規準原稿の調整確認作業)の後に、その原稿を運営委員会に提出して欲しい旨の要望が小野主査よりなされた。また、小野主査より同WGを来年度小委員会に格上げするというの提案を後で行なうことが報告された。

また、20043月脱稿を予定していること、書籍の題目変更もあるので構造本委員会での査読を求められる可能性があることなどが、委員からの質問に対して追加説明された。

 

4)      鋼構造変形限界設計小委員会(資料10-13、桑村主査)

3回委員会(925日開催)では

     鋼構造躯体の性能表示については日本建築学会構造系論文集200212月号に掲載予定。非構造部材と設備についても順次まとめていく予定。

     米国ICC(International Code Council)性能設計基準を運用するためのIBC (International Building Code)を検討する必要があること

     設備関係の地震被害などに関し空調衛生工学会のデータなどを入手し検討する必要があること などが議論された。

4回委員会(1112日)では

     本年度活動成果および来年度活動計画を審議し、3つのWGの設置と2003年度大会PDでこれまでの成果の中間発表を行なうことを確認した。

     学会地震防災総合特別研究委員会総合耐震安全性小委員会、JARAC(建築耐震設計者連合)、JSCA3団体が提案している耐震性能設計の理念や方法論は本小委員会の性能設計の枠組みに含まれていることを確認した。

     設備機器本体の耐震性能については情報が少ないこと、設備のハードウェアに携わっている人が建築出身者でなく意思疎通が難しいなどの問題点があり、今後空調学会などとの情報交換や協力を続けていくことを確認した。

     耐震性能の検証法について、変形支配型と加速度支配型の二つに分けて考える方針を提示した。

     米国は性能設計が進んでいるので、十分に検討しておく必要があることなどが報告された。

これに対して、以下のような意見や質問が出された。

     構造関係者は設備の方へ歩み寄る必要がある。また、研究分野を設備構造へ拡張することも重要である。

     設備に対する制限として床の加速度や層間変形などで一律に決まっているケースが多い。このような制限値で構造物の性能が制限されるのは問題であり、構造躯体の性能と設備機器や二次部材の性能をいくつかの選択肢の中から選択して組合せることにより資産価値の高い建物を提案することが望まれる。

5)      鋼構造地球環境小委員会(岩田主査)

2002年度大会PDを受けて925日に委員会を開催し、目次の内容に沿ってスケジュールどおり進行していることが報告された。次回委員会は124日開催予定。

 

(5)エネルギー法について(資料10-08、小野主査)

     エネルギー法に対する日本建築学会各委員会などからの意見、質問に対する対応方針が資料10-08のごとく示され、了承された。

 

(6)来年度予算について(資料10-09、小野主査)

     運営委員会関係の次年度申請予算原案(構造委員会115日提出分)が示され了承された。

     鋼構造設計規準見直し小委員会(主査木村)の設置が提案され承認した。

     鋼構造変形限界設計小委員会から3つのWG(構造躯体性能WG(主査桑村)、非構造部材性能WG(主査清家)、建築設備性能WG(主査藤村))の設置申請があり承認した。

(7)予算の執行状況について(資料10-10、小野主査)

2002年度鋼構造運営委員会関係の予算の執行状況が資料10-10に基づき報告された。

(8)来年度大会鋼構造部門PD(資料10-11、桑村)

     桑村委員より来年度大会PD企画「鋼構造の性能設計を考える」について資料10-11に基づき説明がなされた。

それに対して、以下のような議論がなされた。

     主題解説の20分は長すぎる。15分位にして討論に回したほうが良い。

     タイトルの性能設計は広い範囲を包含する言葉であり、変形限界などのようなもう少し内容を絞ったテーマもありうるのではないか。内容の大半が耐震に関することであるので、タイトルに耐震という言葉が入っても良いのではないか。・・・サブタイトルをつけるなど工夫する。

     建築設備の性能設計という表現も再考を要する。

上記の議論を考慮した案を桑村委員に作成していただき、125日までにE-mailにて提出することで、次年度のPD案として承認した。また、趣旨説明は小野主査が担当する。

(9) 来年度大会耐震性能評価法検討WG担当PD(資料10-12

     表記のPDについて緑川委員より説明があった。また、桑村委員より各種構造における設計プロセスの課題の鋼構造部門パネリストには限界耐力計算法による設計実績のある大成建設より高橋克治氏を推薦した旨追加報告がなされた。

 

次回の開催予定

     200335日(水)14:0017:00学会会議室にて開催

 

記録担当:松尾 彰