2017131

鉄筋コンクリート構造保有水平耐力計算規準()・同解説  質問回答表

 

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質問

回答

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保有耐力を評価する場合、早期に壁のせん断破壊が生じる事で、Q-δカーブが急激に低下するケースが見られます。

このような場合、保有耐力の定義別に以下の問題が考えられます。

・部材のせん断破壊時を保有耐力とした場合

早期に保有耐力が定義されるので、相当小さい値となる。

・層間変形角で定義した場合

層間変形角の設定値によって、保有耐力の値が大きく異なる。

 

このようなケースは、既存建物の保有耐力の評価の際に多く見られますが、今回の規準では、早期に壁がせん断破壊してしまう場合の保有耐力は、どのように考えているのでしょうか。

耐震壁や柱にせん断破壊が生じる場合は、その部材を取り除いても構造物が成立する場合を除いて、せん断破壊が生じた時点がメカニズム時となり、その時点で建物が持っている水平力を保有水平耐力とします。

 

なお、本規準では、既存建物は原則として適用範囲外としております。

 

 

 

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18条 梁部材」の中の2.(7)のせん断終局耐力についてです。

 せん断補強筋比pwについて0.012を超える場合は、0.012として耐力を算定するように記載されています。

 この理由はどのようなものでしょうか。

 

 また、2015年版建築物の構造関係技術基準解説書では、付録1-3の部分に同様の式が記載されていますが、pwの上限値について「中子筋を併用する場合やスパイラル筋を用いる場合は0.015」となっています。

 

荒川式に適用するせん断補強筋比pwの範囲について当小委員会およびWGで検討してきましたが、従来の上限である0.012を緩和する必要を示す積極的なデータや研究成果は見受けられませんでした。そのため上限値を0.012のままとしています。なお、2015年版の「建築物の構造関係技術基準解説書」が発刊されたのは20156月末です。この時点において、本規準(案)は既に原案が出来上がり、構造本委員会の査読を受けている状況でした。なお、今後も継続的に実験式の各数値は見直しを含めて検討を行っていく予定です。

 このような経緯から、荒川式の通常の適用範囲である「せん断補強筋比pw0.012を超える場合には、0.012とする」を採用いたしました。

 

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P43の解説図1.4「適用ルート」についての質問です。

板状の共同住宅で、耐震壁が全て曲げ破壊と成る場合の適用ルー

トがADのどのルートに該当するか教えて下さい。

 

連層耐震壁の1階壁脚部の曲げ破壊による全体崩壊形は、Aルートです。