「風土と建築−アーメダバードにおけるル・コルビュジエ、カーン、ドーシ−」展

 インドのアーメダバードは、インドの伝統建築が多く遺されていることに加えて、近代建築が風土との関わりにおいて、いかに実現されてきたかを見出すためには恰好の地であると言うことができる。近代建築群の中でも、とりわけ、ル・コルビュジエとカーンについては、それぞれの設計活動の中でも非常にユニークな作品が遺されていることに注目すべきだろうし、幸運にも、その風土を知り尽くしていたドーシが、彼ら二人からのモダニズムの風をしなやかに受けとめ、地域の風土や伝統との融合を図り、発展的に彼らの思想を受け継いだことも、この地の意義を大いに高めたと言えるだろう。  しかしながら、アーメダバードの地に着目した近代建築の作品群については、私たちはこれまで、あまり触れる機会を持たなかった。本展は、ル・コルビュジエとカーンにとってのインドの風土との関わり、それを継承しつつ、その風土に生まれ育ったドーシがいかにモダニズムを自分のものとしていったかについてなど、アーメダバードの地に現在もなお、息づいているモダニズムの風、建築の豊かな歴史を感じていただける好機になろうかと思われる。展覧会は、コルビュジェの晩年の傑作といってよい4つの作品、コルビュジェやカーンに影響を与えたインドの風土、そして、かの地における近代建築の系譜を紹介する内容となっている。  そして、本展が、風土と建築のありかたについてじっくりと考える場となり、私たちが、自分たちの暮らす風土を尊重しつつ、その地域性を充分に解釈して、これまで受け継いできた文化を守りながら、発展的に継承しようという意識を育むことに繋がってゆくようにも期待したいと思う。

<主 催>   徳島市    (社)徳島県建築士会   徳島県建築士会徳島支部   (社)徳島県建築士事務所協会
<後 援>   (社)日本建築学会四国支部徳島支所
<協 力> 大成建設ギャルリー・タイセイ ヴァスツ・シルパ財団 バルクリシュナ・ドーシ 株式会社エー・アンド・ユー ケン・タダシ・オオシマ 北田英治 新居ヴァサンティ  新居照和
日   時 2002年2月4日(月)−14日(木)8:30-17:00 (土・日・祝日は閉場)
会   場 徳島市役所1階 国際親善ギャラリー
<展示作品> ル・コルビュジエ:繊維業者会館(1954-56)、
サラバイ邸(1955)
ショーダン邸(1956)
サンスカル・ケンドラ美術館(1956-57)
ルイス・カーン:インド経営大学(1962-74)
バルクリシュナ・ドーシ:ドーシ自邸(1980)
ドーシ・グーファ美術館(1993)
そのほか、インドの伝統建築や街のようすなどについても紹介する。       
写真80数点、模型3点、図面約80枚から構成される予定。 
入 場 料 無料
   
関連事業
  オープニングコンサート 「多面体の独白」 
日   時  2002年2月4日(月)10:00-10:30 14:00-14:30
場   所 市役所前広場  
演   奏 曽我部清典(トランペット)        
   
  講演会およびシンポジウム 
日   時  2002年2月9日(土)14:00-17:00         
場   所 建設センター(徳島市富田浜2丁目10)         
  <基調講演>14:00-15:00      演題:「アーメダバードの建築について」
講   師 ヴァサンティ・メノン・新居(新居建築研究所)        
   
  <シンポジウム>15:20-17:00    話題「風土と建築」      
出 席 者 ヴァサンティ・メノン・新居(別掲)            
林美佐(ギャルリー・タイセイ学芸員)        
本田圭一(一級建築士事務所・第二工房)        
司 会:久米将夫(徳島市建築課)
   
参 加 費 無料
定   員 100名
問 合 先 徳島市開発部都市デザイン室        
徳島市幸町2丁目5 phone:088-621-5249 fax:088-621-5273        
(社)徳島県建築士会        
徳島市富田浜2丁目10 phone:088-653-7570 fax:088-624-1710