案 内 研究協議会プログラム


計画系建築教育のパラダイム変換
 −個性と新しい質を目指す21世紀の計画系教育−


2003年9月7日(日) 13:00〜17:00
司会 岡崎 甚幸(武庫川女子大学)
記録 吉村 英祐(大阪大学)

主旨説明 岡崎 甚幸(京都大学)
主題解説 服部 岑生 (千葉大学)
計画系教育の今後 竹下 輝和(九州大学)
海外の計画系教育 長澤  泰(東京大学)
設計教育の方向性 重村  力(神戸大学)
職能教育としての計画系教育 榊原  潤(清水建設)
計画系教育のパラダイム変換 伊藤  毅(東京大学)
   
21世紀計画系教育特別研究委員会の研究報告を行う。去年度、建築設計に関する内外の資格に関する動向とそれに関係する計画系教育のあり方をテーマにした研究協議会で、リアリティー感覚を教育していない点を確認し、計画系各分野が独立性・専門性を越えて関係性を構築するなどの新しい計画系教育の芽生えを心地よく語ったことは、記憶に新しい。今年度は、21世紀計画系教育特別研究委員会の本格的な研究体制の各担当者から、今後の計画系教育の新しい方向性を、予告していただく研究討論会としたい。計画系教育の体系、設計教育、関連する海外の教育実態、職能との対応について、研究成果を報告し討論する。中心テーマは、今後の計画系の建築教育に関する大きな方向転換(パラダイム変換)である。具体的には、旧来の建築史・意匠、建築設計、建築計画、都市計画、農村計画等の専門分野が、教育の場面では建築の具体的創造を前提に、新しい教育体系として再編成されることが必然であることを予告する。建築の計画系教育が、ともすればものづくりの側面において建築の現場でのリアリティーについての感覚を喪失し、研究やプレゼンなどが自己目的となりゲームのように教育が行われてきた点を反省して、技術・人間・地域・歴史・文化などに根付く総合性を回復する必要があるからである。確かに、建築づくりは多種多様な条件のある課題を解決して実現されるものではあるが、それに反する表層的とか専門的な操作の教育を反省する必要がある。建築づくりの社会的な課題に答える倫理観も、大きな教育課題である。さらに、その局面で歴史学が、大きな役割を有すること、建築計画学は従来の蓄積を継承し新しく発展していくことなどの指摘が行われるであろう。
また、21世紀の新しい建築教育では、各教育機関の個別の創意が個性と新しい質を形成するという予感を重視し、統一や標準を模索する討論を避けたいと考えている。